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プロ野球

松尾、浅野の高卒大物野手に課せられる数値は!? 12球団ドラ1ルーキーたちの“目標”を考察【セ・リーグ編】

西尾典文

2023.02.21

<巨人>
●浅野翔吾(外野手/高松商)
目指すべき目標=二軍で80試合、300打席、打率.260、10本塁打

 ドラフト1位の抽選を外し続けてきたチームにとって待望の大物野手ということで期待も大きいが、キャンプで二軍スタートとなった事実からも分かるように、まずはプロのレベルに慣れるのが先決と言える。

 期待値的には、同じ高卒野手である松尾と同程度が妥当だが、捕手に比べると守備の負担は少ないと考え、打率は少し上に設定した。またこだわりたいのは打席数だ。同じチームの先輩の1年目を見ると岡本和真が257打席、秋広優人が302打席となっているだけに、浅野も300打席を目指してもらいたい。

<広島>
●斉藤優汰(投手/苫小牧中央高)
目指すべき目標=二軍で10試合、50イニング登板

 今年のドラフト1位ルーキーで唯一の高校生投手である斉藤。高校時代に大舞台での経験はなく、まずは体力作りからのスタートとなるが、最終学年での成長は目覚ましいものがあり、二軍キャンプでの投球練習でも首脳陣から高い評価を得ているのはプラス材料だ。

 昨年は小園健太(DeNA)が慎重に起用されたが、ある程度、実戦での登板を重ねながらレベルアップを目指すのが、彼の場合は妥当ではないだろうか。森木大智(阪神)が、昨年に二軍で14試合、53回を投げているだけに、斉藤もそれに近い数字が基準となりそうだ。
 
<中日>
●仲地礼亜(投手/沖縄大)
目指すべき目標=二軍で先発として5勝。後半に一軍デビュー

 大学卒の投手だが、全国での投球は3年春の全日本大学野球選手権だけで、高いレベルの打者との対戦経験が少ないことを考えても、本格的なデビューは2年目以降と考えておくのが妥当だろう。それでも初の対外試合登板となった2月15日の沖縄電力との練習試合では見事な投球を見せており、ポテンシャルの高さを示している。

 まずは二軍でしっかりと先発として結果を残し、オールスター明けから後半戦にかけて、来季以降を見据えて何試合か先発としてテスト登板するという流れに持っていきたい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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