去る2月17日。ちょうど日本代表が宮崎での春季合宿を開始したその日、"野球の本場"アメリカでは、ショッキングな一報で騒然となった。それはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)参加に燃えていたクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)が出場辞退を余儀なくされたというものだった。
理由は明確。MLBが管理する保険会社からの出場許可が下りなかったためであった。21年に左前腕、昨年は腰痛と、2年連続して長期離脱を余儀なくされていたカーショウだけに、厳しい審査をパスできなかったわけである。
しかし、「今の僕は100%健康なんだ。問題がないんだよ。『出たい』と思う選手は出場させてほしい」と訴えた当人が「本当にガッカリしているし、イライラさせられている」と苛立ちを露わにしたこともあり、世間からはWBCの在り方に疑問の声が上がった。
「世界最高の選手なくして、なにが『世界一の大会』なのか」
もちろん保険会社に聞けば、合理的な辞退を強いた理由が返ってくる。しかし、出場意欲の高い実力派の選手たちが簡単に出られない現状は、やはりもどかしい。低迷が叫ばれる野球人気の回復に繋がるとは言えないのではないかとも思えてくる。
そうしたなかで、メジャーリーガーとして、興味深い持論を展開した男がいる。侍ジャパンのエースであるダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)だ。
今春の宮崎合宿にメジャー組で唯一の参加となったダルビッシュは、21日の取材では、プライベートでも親交がある盟友の辞退について「アメリカは保険とかがあるので、なんとも言えない」と前置きしたうえで、トップクラスの投手がWBCに参加しやすくなるための考えを語った。
「もともとカーショーは腰がずっと良くないので、状態としてうまくコントロールできているんだろうけど、MRIで見るとダメというところだと思う。うーん……難しいですね。やっぱり向こうは年俸が高額なので。だから、年俸が落ちるしかないと思います」
カーショウの辞退に対しては、アメリカ国内のメディアでも「MLBは大会を有意義なものに変えるために動くべきだ」(米紙『LA Times』)という声が噴出している。それだけに、今後に向けては様々な議論が交わされていくはずだが、はたして――。
文●羽澄凜太郎
【画像】WBCに挑む侍ジャパン30名の顔ぶれを厳選PHOTOで一挙紹介!
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理由は明確。MLBが管理する保険会社からの出場許可が下りなかったためであった。21年に左前腕、昨年は腰痛と、2年連続して長期離脱を余儀なくされていたカーショウだけに、厳しい審査をパスできなかったわけである。
しかし、「今の僕は100%健康なんだ。問題がないんだよ。『出たい』と思う選手は出場させてほしい」と訴えた当人が「本当にガッカリしているし、イライラさせられている」と苛立ちを露わにしたこともあり、世間からはWBCの在り方に疑問の声が上がった。
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もちろん保険会社に聞けば、合理的な辞退を強いた理由が返ってくる。しかし、出場意欲の高い実力派の選手たちが簡単に出られない現状は、やはりもどかしい。低迷が叫ばれる野球人気の回復に繋がるとは言えないのではないかとも思えてくる。
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