今季からメジャーリーグでの導入が決定した「ピッチクロック」。試合時間の短縮を図るべくMLBが取り入れたのだが、早くも現地では不満(?)の声が上がっている。
ピッチクロックは、野球を大きく変えるルールだ。投手であれば、走者なしで15秒、走者ありで20秒以内に投球しないと1ボールに。逆に打者は8秒以内に打席に入って投球に備えなければ、1ストライクを宣告される。つまり今まで以上にハイテンポで試合を進めなければならないわけである。
今春のオープン戦から実戦の場で試行されている同ルールなのだが、各地で違和感を覚える声が噴出している。現地2月25日にフロリダで行なわれたボストン・レッドソックスとアトランタ・ブレーブスの一戦では、選手たちも予期していなかった“アクシデント”が起きた。
6対6で迎えた9回裏だった。2死満塁の好機で打席に入ったカル・コンリーがフルカウントまで粘る。まさに手に汗握る攻防戦が繰り広げられた。だが、ここで球審のジョン・リブカ球審が両手を上げ、プレーを止め、「タイムアウト(時間切れ)」とともにストライクを宣告。コンリーを指さして三振をコールしたのである。
ルーティンワークであるバットの先端で、ホームベースをトントンと叩いたあと、投手に向かって構える一連の動作の途中だったコンリー。主審からの思わぬ「時間切れ」宣告には思わず困惑した表情を浮かべた。
文字通り前代未聞の幕引きとなった。それだけにルールの見直しを求める声が沸き上がった。コンリーが喫した三振の瞬間を伝えた米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者は「これが新たな現実だ」とレポート。また、ドミニカの放送局『Z101 Digital』のエクトル・ゴメス記者は「これがワールドシリーズの第7戦だったら最悪のシナリオじゃないか」と懐疑的な意見を寄せた。
なお、ブレーブスを率いるブライアン・スニッカー監督は試合後に「今のうちから始めてくれたのは良かった。何が起こりうるのか、事前には予測しきれない」と冷静に持論を口にしている。
早くもさまざまな問題が指摘されているピッチクロック。野球の価値観を変えるルールの適応には、選手たちや関係者、そして元来のファンも時間を要しそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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ルーティンワークであるバットの先端で、ホームベースをトントンと叩いたあと、投手に向かって構える一連の動作の途中だったコンリー。主審からの思わぬ「時間切れ」宣告には思わず困惑した表情を浮かべた。
文字通り前代未聞の幕引きとなった。それだけにルールの見直しを求める声が沸き上がった。コンリーが喫した三振の瞬間を伝えた米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者は「これが新たな現実だ」とレポート。また、ドミニカの放送局『Z101 Digital』のエクトル・ゴメス記者は「これがワールドシリーズの第7戦だったら最悪のシナリオじゃないか」と懐疑的な意見を寄せた。
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構成●THE DIGEST編集部
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