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プロ野球

「日本の練習には“創造性”を感じる」DeNAのキャンプを訪れたMLBコーチの声から改めて見えた日本野球の特色<SLUGGER>

岩国誠

2023.02.27

DeNAの選手に熱心に指導するライトコーチ。自ら作成したメニューに基づく練習も行われた。写真:岩国誠

DeNAの選手に熱心に指導するライトコーチ。自ら作成したメニューに基づく練習も行われた。写真:岩国誠

 2月に入ってプロ野球12球団がキャンプインし、17日からはWBC代表合宿もスタート。連日のように野球関連の情報がメディアを賑わせている中、海の向こうではメジャーリーグのキャンプも始まり、大谷翔平らの調整具合が日々伝えられている。

 その中で、元ヤクルト監督・古田敦也氏がアリゾナ・ダイヤモンドバックスの臨時コーチとして招聘されたことも話題となった。逆に、ダイヤモンドバックスから2人のマイナーコーチがDeNAの一軍キャンプに派遣されている。

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 DeNAは、2019年にダイヤモンドバックスと戦略的パートナーシップを締結。プロスカウティングなどのチーム情報交換や、人材交流を積極的に行っていくことを目的としていた。しかし、20年からの新型コロナウィルス大流行の影響もあり、後者については思うように進まない状態が続いていた。

 今年、その人材交流が3年ぶりに実現。2月7日から13日まで、傘下マイナーチームのマニー・ガルシア投手コーチと、タイ・ライト打撃コーチがDeNAのキャンプに参加した。

 初日、ダイヤモンドバックスのユニフォームに身を包んだガルシア投手コーチはブルペンを視察。守護神・山崎康晃投手と変化球の握りについて語り合う場面があった。だが、2人のコーチにとって、今回のキャンプ参加の目的は技術指導以外にあった。

「自分が何かを教えるというよりも、僕自身がすごく学びたいと思ってここに来ました」
 
 そう話すガルシア投手コーチは、ドミニカ共和国出身の33歳。11年にアカデミーの投手コーチとして指導者のキャリアをスタートさせると、17年からマイナーのコーチとして若い才能の指導にあたっている。

「練習を見て感じたのは、強度が強いということ。それは選手にとってもいいことだと思いました。あとは練習に『創造性』を感じました。例えば投内連携にもいろいろな形がありましたし、一番びっくりしたのは4人が同時に打つこと。いろいろなバッティングドリルがあったことにも驚きました」

 一方、ライト打撃コーチはアメリカ出身の38歳で、去年からダイヤモンドバックス傘下のマイナーコーチに就任。カブス傘下のマイナーチームで指導者キャリアをスタートさせ、現在はホワイトソックスでスラッガーとして活躍するエロイ・ヒメネス外野手を指導していた人物だが、彼もまた同じ見解を持っていた。

「私も日本の練習には"Creativity"(創造性)を感じます。アメリカでは、スプリング・トレーニングの球場が4面あったり、施設もたくさんありますが、こちらは1ヵ所でやっているので、必然的に練習のやり方、量、時間配分も違ってきます。日本は逆転の発想というか、練習の発想がかなり豊富だと感じました」
 

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