メジャーリーガーの実力はやはり伊達ではない。
3月6日に京セラドーム大阪で行なわれた阪神との強化試合で、侍ジャパンのラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)は「1番・センター」で先発出場。日系人選手として初選出を受けた25歳は、これが代表デビュー戦ながら3打数2安打1打点と活躍。堂々と存在感を放った。
栗山英樹監督が「野球の幅が広がる」とワールド・ベースボール・クラシック(WBC)メンバーに選出したヌートバーだが、発表時には懐疑論も渦巻いた。実質メジャー経験が2年というキャリアの浅さもあってか、候補者だった近本光司(阪神)や塩見泰隆(ヤクルト)と比較して実力を疑問視する球界OBも少なくなかった。
果たしてヌートバーは見事に周囲の雑音を振り払ってみせる。
初回の第1打席では阪神先発の才木浩人が投じた153キロのストレートをしっかりとセンターへと弾き返して出塁。さらに3回表の2死三塁の場面では、才木の142キロのスライダーを捉えて先制となるタイムリーヒットを記録した。
初対戦となる日本の若手投手にもしっかりとアジャストする打撃技術は流石と言えよう。また、この日は、以前から清水雅治外野守備・走塁コーチが「どこまで声かけとか連携できるかな」とコミュニケーション面での不安を口にしていた守備も危なげなくこなし、頼もしさを感じさせた。
もっとも、ヌートバーの貢献度の高さは以前から折り紙つきではあった。というのも、1打席当たりに打者がリーグ平均(100)に対し、どれだけ得点を産み出したかを表す「wRC+」という指標で彼のメジャー通算が「118」と高い値を記録していたからだ。
初陣で、きっちりとメジャーでプレーする実力を見せ、目に見える結果を残したヌートバー。栗山監督もホッとしたというところだろう。阪神戦後に指揮官は「課題はまだまだいっぱいある」としながらも「たっちゃんは時差との関係もあって、心配しているところもあったんですけど、あそこで仕事をしてくれたことでチームが落ち着いた」と満足げに振り返った。
もはやヌートバーの可能性に疑いを持つ人は少なくなったのではないだろうか。WBC初戦となる3月9日の中国戦に向け、楽しみは尽きない。
構成●THE DIGEST編集部
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果たしてヌートバーは見事に周囲の雑音を振り払ってみせる。
初回の第1打席では阪神先発の才木浩人が投じた153キロのストレートをしっかりとセンターへと弾き返して出塁。さらに3回表の2死三塁の場面では、才木の142キロのスライダーを捉えて先制となるタイムリーヒットを記録した。
初対戦となる日本の若手投手にもしっかりとアジャストする打撃技術は流石と言えよう。また、この日は、以前から清水雅治外野守備・走塁コーチが「どこまで声かけとか連携できるかな」とコミュニケーション面での不安を口にしていた守備も危なげなくこなし、頼もしさを感じさせた。
もっとも、ヌートバーの貢献度の高さは以前から折り紙つきではあった。というのも、1打席当たりに打者がリーグ平均(100)に対し、どれだけ得点を産み出したかを表す「wRC+」という指標で彼のメジャー通算が「118」と高い値を記録していたからだ。
初陣で、きっちりとメジャーでプレーする実力を見せ、目に見える結果を残したヌートバー。栗山監督もホッとしたというところだろう。阪神戦後に指揮官は「課題はまだまだいっぱいある」としながらも「たっちゃんは時差との関係もあって、心配しているところもあったんですけど、あそこで仕事をしてくれたことでチームが落ち着いた」と満足げに振り返った。
もはやヌートバーの可能性に疑いを持つ人は少なくなったのではないだろうか。WBC初戦となる3月9日の中国戦に向け、楽しみは尽きない。
構成●THE DIGEST編集部
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