ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりの世界一奪還を目指す侍ジャパンは3月7日、京セラドーム大阪で本大会に向けた最後の強化試合を行ない、オリックスに9対1で大勝した。連日に続き打線が猛爆発し、投手陣も安定感が出てきた。栗山英樹監督も手応えを感じ「いい形の準備はできた」と、自信を深めた。
チーム発足後、栗山監督は常に「一人ひとりの良さを出したい。全力でサポートしていきたい」と口にしてきた。そんな選手ファーストの指揮官は、大阪での2連戦を臨むにあたり「公式戦が始まっている感覚でいく」と4日の中日戦後に語った。"本番モード"を宣言した指揮官は、その言葉通り短期決戦を見据えスタメンを一部変更。打線にテコ入れを図った。
1番のラーズ・ヌートバーから3番の大谷翔平までは変更せず、大きく変えたのは、ここまで5試合連続で4番に起用してきた村上宗隆を6番に下げ、代わりに前日5番を担った吉田正尚を4番に、6番だった岡本和真を5番に据えた。
以前から「打順よりも並び」と言ってきた指揮官は「(選手の)状態やどういうつながりがいいのかは、これからも考える」と慎重な言葉で語りながら「今日に関してはメジャーの選手たちが打席に入る機会が少なかったので、なるべく打順を上げて多く打席を回したかった」と、一部組み換えの意図を説明した。
効果は絶大だった。メジャー組の3番・大谷は2打席連続本塁打を放った6日の阪神戦同様、この日も先制点のきっかけとなる安打を含め2打数1安打1四球、4番に据えた吉田は4打数3安打4打点と大爆発。打線にいいリズムをもたらした。
一方の村上も初回2死一、二塁のチャンスで先制3ランを放った。昨季のセ・リーグ三冠王の待望アーチに栗山監督も「必ず(本大会が)始まったら打ってくれると信じているので、いいきっかけになれば」と、5試合2安打ともがき苦しんできた23歳の打棒復活を喜んだ。
待望の一発が出たことに村上は「試行錯誤しながらの打席で、あの1打席目の打ち方は一番いいと思った」と、真ん中に甘く入ったストレートを鋭く捉えたスウィングに確かな手応えを得た。ただし、4番を外れたことに関しては「悔しかった。このチームで4番を打ちたいという思いも正直ある」と本音を漏らすが、「これから先もどういう打順を任されようとも、しっかりとした準備をして戦っていきたい」と、意気込んだ。
また、この試合では5試合で16打席無安打と絶不調だった山川穂高にも待望の初本塁打が8回に飛び出た。4日の中日戦までは決定打に欠けていた侍打線が、本番直前でようやく"線"になってきた。大谷やヌートバーらメジャー組合流前には「チーム内に化学変化が起こることを期待したい」と語った指揮官。その言葉は少しずつ現実になっているようだ。
「選手たちが一番感じていると思うが、そういう選手たちとみんなが化学変化を起こして強くなる。日本らしい素晴らしい野球をしてくれると信じている」
準備段階は終わった。侍ジャパンは8日にWBC本番が行なわれる東京ドームで練習し、9日に1次ラウンド初戦・中国戦を迎える。多くの好材料を揃えた侍が3大会ぶりの『世界一奪還』へ、いよいよ出陣する。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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1番のラーズ・ヌートバーから3番の大谷翔平までは変更せず、大きく変えたのは、ここまで5試合連続で4番に起用してきた村上宗隆を6番に下げ、代わりに前日5番を担った吉田正尚を4番に、6番だった岡本和真を5番に据えた。
以前から「打順よりも並び」と言ってきた指揮官は「(選手の)状態やどういうつながりがいいのかは、これからも考える」と慎重な言葉で語りながら「今日に関してはメジャーの選手たちが打席に入る機会が少なかったので、なるべく打順を上げて多く打席を回したかった」と、一部組み換えの意図を説明した。
効果は絶大だった。メジャー組の3番・大谷は2打席連続本塁打を放った6日の阪神戦同様、この日も先制点のきっかけとなる安打を含め2打数1安打1四球、4番に据えた吉田は4打数3安打4打点と大爆発。打線にいいリズムをもたらした。
一方の村上も初回2死一、二塁のチャンスで先制3ランを放った。昨季のセ・リーグ三冠王の待望アーチに栗山監督も「必ず(本大会が)始まったら打ってくれると信じているので、いいきっかけになれば」と、5試合2安打ともがき苦しんできた23歳の打棒復活を喜んだ。
待望の一発が出たことに村上は「試行錯誤しながらの打席で、あの1打席目の打ち方は一番いいと思った」と、真ん中に甘く入ったストレートを鋭く捉えたスウィングに確かな手応えを得た。ただし、4番を外れたことに関しては「悔しかった。このチームで4番を打ちたいという思いも正直ある」と本音を漏らすが、「これから先もどういう打順を任されようとも、しっかりとした準備をして戦っていきたい」と、意気込んだ。
また、この試合では5試合で16打席無安打と絶不調だった山川穂高にも待望の初本塁打が8回に飛び出た。4日の中日戦までは決定打に欠けていた侍打線が、本番直前でようやく"線"になってきた。大谷やヌートバーらメジャー組合流前には「チーム内に化学変化が起こることを期待したい」と語った指揮官。その言葉は少しずつ現実になっているようだ。
「選手たちが一番感じていると思うが、そういう選手たちとみんなが化学変化を起こして強くなる。日本らしい素晴らしい野球をしてくれると信じている」
準備段階は終わった。侍ジャパンは8日にWBC本番が行なわれる東京ドームで練習し、9日に1次ラウンド初戦・中国戦を迎える。多くの好材料を揃えた侍が3大会ぶりの『世界一奪還』へ、いよいよ出陣する。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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