変幻自在の投球に侍ナインも困惑だ。
3月11日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドプールB第3戦(チェコ戦)が東京ドームで開催され、日本代表は佐々木朗希(ロッテ)が先発マウンドに立っている。
初回に164キロを投げ込むなど佐々木に関する娯楽が尽きないなか、東京ドームの観客をはじめとする野球ファンが思わず、熱視線を送ったのは、チェコの先発投手を務めたオンジェイ・サトリアだ。
175センチ、76キロと決して大柄ではない26歳だが、クイックを織り交ぜた“技巧”的な投球を披露。最速でも127キロにしか満たないスローボールを駆使して日本の好打者たちを翻弄していった。
初回にはラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)、近藤健介(ソフトバンク)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)という好調の上位打線を3者凡退に切って取った。とりわけ大谷には4球すべてを110キロ台のチェンジアップで勝負し、最後は外角低めへの117キロのボールを打たせて一塁ゴロに仕留めた。
2回に日本は1死満塁のピンチを作るも、中野拓夢(阪神)と甲斐拓也(ソフトバンク)が、いずれも高めのボール球を打たされて凡退……。流れを生み出せぬまま、無得点に終わった。
佐々木が投じた最速球との球速差は37キロ。このサトリアのピッチングには、思わず球場もざわつき、記者席に座したメジャースカウトの一人は「これは日本も苦労するかもしれないぞ」と苦笑いを浮かべながらこぼしていた。実際、日本のバッターたちは目が慣れておらずにタイミングがズレたスイングを強いられているように見え、大谷は3回裏の第2打席も116キロのチェンジアップに狂わされ、空振り三振を喫した。
データが少ないであろう“難敵”をどう打ち崩していくのかが注目を集めた。だが、好調の日本打線はすぐさま攻略。1点を追っていた3回に2死一、二塁の局面で、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)がレフトへの2点タイムリーを放つなど一挙3得点で、試合を逆転。この回で球数制限の65球に達したサトリアをマウンドから引きずり下ろした。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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175センチ、76キロと決して大柄ではない26歳だが、クイックを織り交ぜた“技巧”的な投球を披露。最速でも127キロにしか満たないスローボールを駆使して日本の好打者たちを翻弄していった。
初回にはラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)、近藤健介(ソフトバンク)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)という好調の上位打線を3者凡退に切って取った。とりわけ大谷には4球すべてを110キロ台のチェンジアップで勝負し、最後は外角低めへの117キロのボールを打たせて一塁ゴロに仕留めた。
2回に日本は1死満塁のピンチを作るも、中野拓夢(阪神)と甲斐拓也(ソフトバンク)が、いずれも高めのボール球を打たされて凡退……。流れを生み出せぬまま、無得点に終わった。
佐々木が投じた最速球との球速差は37キロ。このサトリアのピッチングには、思わず球場もざわつき、記者席に座したメジャースカウトの一人は「これは日本も苦労するかもしれないぞ」と苦笑いを浮かべながらこぼしていた。実際、日本のバッターたちは目が慣れておらずにタイミングがズレたスイングを強いられているように見え、大谷は3回裏の第2打席も116キロのチェンジアップに狂わされ、空振り三振を喫した。
データが少ないであろう“難敵”をどう打ち崩していくのかが注目を集めた。だが、好調の日本打線はすぐさま攻略。1点を追っていた3回に2死一、二塁の局面で、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)がレフトへの2点タイムリーを放つなど一挙3得点で、試合を逆転。この回で球数制限の65球に達したサトリアをマウンドから引きずり下ろした。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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