特別な日に“令和の怪物”が世界デビューだ。

　３月11日、第５回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）日本代表の佐々木朗希（ロッテ）は、東京ドームで行なわれている１次ラウンド「プールB」のチェコ戦に先発登板すると、３回2／3で66球を投げ、被安打２、奪三振８、失点１（自責点０）。見事な投球で先発の役目を果たし、２番手・宇田川優希（オリックス）にマウンドを託した。
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　2011年３月11日、東北を襲った東日本大震災で父・功太さん（享年37）と祖父母を亡くし、自宅も流されたという佐々木。それから12年が経ち、WBCデビューを果たしたこの日は、初回からエンジン全開だった。味方のエラーで先制を許したものの、失点をこの１点のみにとどめ、最速164キロをマークするなど、夢の大舞台で確かな存在感を示した。

　この試合前には、米放送局『Fox Sports』でアナリストを務めるベン・バーランダー氏が、公式ツイッターを更新。「ロウキ・ササキがマウンドに立つ今夜は、特別な瞬間となるだろう」と書き始め、「12年前の今日、ササキは津波で父と祖父母を亡くした。このような日に日本を代表できるのは、彼と国民全体にとって特別な瞬間だ」と強調している。

　また、WBCの情報を連日発信し、同大会を取材しているショーン・スプラドリング記者は、「３月11日は、ロウキ・ササキの父と祖父母の命を奪い、自宅を壊した地震と津波から12年目の日だ」とツイート。「ロウキは９歳だった」と続けると、「今日、彼はWBCデビューを果たす。21歳にとって、とても感慨深い一日だ」と記述していた。
  　なお、試合は現在、日本が10対２とリード。３回裏に吉田正尚（ボストン・レッドソックス）、山田哲人（ヤクルト）の連続タイムリー、そして４回裏にラーズ・ヌートバー（セントルイス・カーディナルス）、近藤健介（ソフトバンク）、大谷翔平（ロサンゼルス・エンジェルス）の３連続タイムリーが飛び出し、試合を優位に進めている。

構成●THE DIGEST編集部

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