相手のみならず味方の意表も突くプレーが流れを変えた。
3月16日に行なわれているイタリアとのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準々決勝に、日本代表の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が「3番・DH兼投手」で先発登板した。
スコアレスの膠着状態で進んでいたなかで流れを変えたのは、3回裏に迎えた大谷の第2打席だった。1死一塁で相手2番手ラソーラと対峙した背番号16は、初球にいきなりのセーフティーバントを敢行。これで意表を突かれたイタリア守備陣が処理にもたつき、さらに悪送球。一気に1死一、二塁の好機を演出したのだ。
前日会見で「日本のような強豪と戦う場合は守備が大事になる」と語っていたイタリアのマイク・ピアザ監督は、この時、大谷の引っ張った強い打球を警戒した守備シフトを敷いていた。そのなかで、"日本のエース"はがら空きとなった三塁方向への見事なセーフティーバントだった。
おそらく本人の独断でいったと思われるワンプレーが、イタリアの"カテナチオ"(イタリア語でかんぬきの意。サッカーの守備戦術を表す時に用いる)をこじ開けた。もっとも、こうした相手の裏を欠く行動は大谷が時折見せるものだ。
メジャーリーグでアメリカン・リーグのMVPに輝いた21年シーズンもそうだった。相手の警戒が強まっていた6月16日のオークランド・アスレティックス戦で19号を打った直後に、三塁線にセーフティーバントをあっさりと成功。本人は「本塁打で1点よりは確率が高いかなと思ったので、確実に出られるところですし、まだ試合もどっちか分からない状態だったので、先頭で出た方が有効かなと思いました」と飄々と語ってみせていた。
大谷のバントでチャンスを拡大した侍ジャパンは、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)のショートゴロの間に1点を先制。さらに2死一、二塁の好機で岡本和真(巨人)がレフトへの特大3ランを放って突き放した。
栗山英樹監督が「先に点は取っていきたい」と語っていたなかで、バントで流れを引き込んだ大谷。東京ドームをどよめかせたプレーは彼の野球IQの高さを物語るものだった。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】なぜ試合直前に!? アメリカと"決定していた"侍ジャパンの準決勝の日程変更が波紋「会見が開かれること自体、不自然」
【関連記事】「ダルビッシュの飲み会を見たよ」惨敗に終わった韓国代表戦士たちが明かす本音と"侍ジャパンとの違い"「井の中の蛙を実感した」【WBC】
【関連記事】「からかっているのか」栗山監督の"運が良かった"発言に韓国メディアがまさかの苦言!「敵将が我々をもう一度傷つけた」【WBC】
3月16日に行なわれているイタリアとのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準々決勝に、日本代表の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が「3番・DH兼投手」で先発登板した。
スコアレスの膠着状態で進んでいたなかで流れを変えたのは、3回裏に迎えた大谷の第2打席だった。1死一塁で相手2番手ラソーラと対峙した背番号16は、初球にいきなりのセーフティーバントを敢行。これで意表を突かれたイタリア守備陣が処理にもたつき、さらに悪送球。一気に1死一、二塁の好機を演出したのだ。
前日会見で「日本のような強豪と戦う場合は守備が大事になる」と語っていたイタリアのマイク・ピアザ監督は、この時、大谷の引っ張った強い打球を警戒した守備シフトを敷いていた。そのなかで、"日本のエース"はがら空きとなった三塁方向への見事なセーフティーバントだった。
おそらく本人の独断でいったと思われるワンプレーが、イタリアの"カテナチオ"(イタリア語でかんぬきの意。サッカーの守備戦術を表す時に用いる)をこじ開けた。もっとも、こうした相手の裏を欠く行動は大谷が時折見せるものだ。
メジャーリーグでアメリカン・リーグのMVPに輝いた21年シーズンもそうだった。相手の警戒が強まっていた6月16日のオークランド・アスレティックス戦で19号を打った直後に、三塁線にセーフティーバントをあっさりと成功。本人は「本塁打で1点よりは確率が高いかなと思ったので、確実に出られるところですし、まだ試合もどっちか分からない状態だったので、先頭で出た方が有効かなと思いました」と飄々と語ってみせていた。
大谷のバントでチャンスを拡大した侍ジャパンは、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)のショートゴロの間に1点を先制。さらに2死一、二塁の好機で岡本和真(巨人)がレフトへの特大3ランを放って突き放した。
栗山英樹監督が「先に点は取っていきたい」と語っていたなかで、バントで流れを引き込んだ大谷。東京ドームをどよめかせたプレーは彼の野球IQの高さを物語るものだった。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】なぜ試合直前に!? アメリカと"決定していた"侍ジャパンの準決勝の日程変更が波紋「会見が開かれること自体、不自然」
【関連記事】「ダルビッシュの飲み会を見たよ」惨敗に終わった韓国代表戦士たちが明かす本音と"侍ジャパンとの違い"「井の中の蛙を実感した」【WBC】
【関連記事】「からかっているのか」栗山監督の"運が良かった"発言に韓国メディアがまさかの苦言!「敵将が我々をもう一度傷つけた」【WBC】
関連記事
- 「ウォリャッ!」「イヤッ!」と唸って160キロ連発! 大谷翔平の気迫に東京ドームも大興奮「熱狂する。この光景が大好きだ」【WBC】
- ドジャース解雇はむしろ好都合だった!? 元CY賞投手バウアーにとって日本移籍はメジャー復帰への足掛かり?
- 「ダルビッシュの飲み会を見たよ」惨敗に終わった韓国代表戦士たちが明かす本音と“侍ジャパンとの違い”「井の中の蛙を実感した」【WBC】
- 「からかっているのか」栗山監督の“運が良かった”発言に韓国メディアがまさかの苦言!「敵将が我々をもう一度傷つけた」【2023名場面・珍場面】
- 「睨んだりしちゃダメだ!」背中への死球に怒り心頭のヌートバーを韓国レジェンドが一喝!「メジャーリーガーだろ」【WBC】