侍ジャパン

止まぬWBC無意味論に“擁護派”記者が国際的価値を指摘「チェコの電気技師がオオタニを三振にしたんだ」【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.03.18

大谷を中心としたスターたちが連日話題を集める侍ジャパン。そんな日本での注目度の高さもWBC開催意義のひとつとなっている。(C)Getty Images

 球界屈指のクローザーのショッキングな離脱が波紋を呼んでいる。

 現地3月15日にマイアミで行なわれたドミニカ共和国との1次ラウンド・プールD第4戦で、プエルトリコ代表の守護神エドウィン・ディアス(ニューヨーク・メッツ)は、自軍が5対2とリードした9回裏に登板。勝者が準々決勝に駒を進める大一番で三者連続三振という圧巻の投球を見せ、快哉を叫んだ。
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 しかし、その直後だった――。マウンド上に駆け寄った同僚たちとともに歓喜していたE・ディアスが転倒。そのまま自力で起き上がれずに車椅子に乗せられて会場を去った28歳は、翌日の検査の結果、右膝の膝蓋腱断裂と判明。全治8か月という今季絶望のキャリアに関わる大怪我を負ってしまったのである。

 今オフにメジャーリーグの救援投手史上最高額となる5年1億200万ドル(約153億円)の延長契約を締結していたE・ディアス。そんな球界ナンバーワンクローザーが、レギュラーシーズンとは無関係の大会で負傷したとあって、メッツファンを中心に一部のファンや識者からWBCへの批判が集中。ニューヨークの地元紙『New York Post』に至っては「メッツが大きな損害を被る形となった」と嘆き、"アンチ"的な意見を提唱した。

 開催時期も含めて「Meaningless(無意味)」とWBCを糾弾する声が相次いだなかで、米国内では大会開催を支持する人々もいる。米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』のエマ・バッセリエリ記者は、E・ディアスの怪我について「残酷で、なぜいま彼なんだと言いたくなるほど悲惨な想いがある」と指摘したうえで「どんな大会にもリスクは付きまとう」と指摘し、こう持論を展開した。
 
「スプリングトレーニングでも怪我が起こるリスクはあり、それはワールドシリーズでも同様だ。さらに言えば、スポーツの世界ではパイを投げようとして半月板を損傷したという奇妙な怪我も存在する。本当にどんなことにもリスクは伴うのだ」

 そして、バッセリエリ記者は「今大会のWBCは大部分が楽しさに満ち溢れたものだった。プレーの質や純粋な楽しさという点で、この時期には味わえない熱烈な競争を提供されている」とし、次のように訴えかけた。

「日本ではチェコの電気技師が、ショウヘイ・オオタニから三振を奪って人々を大いに興奮させた。これは野球の文化がアメリカ人の想像以上に豊かなものであるかを表す好例だ。WBCはメジャーのそれとは異なるが、各国の選手やファンのためにより価値あるものになっている」

 大会のクライマックスが迫るなかで、存在意義が問われることとなったWBC。SNS上で白熱し続けているこの論争は、レギュラーシーズンスタート後もしばらく落ち着きそうにない。

構成●THE DIGEST編集部

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