「プレーをするうえでは100%不利になる。プエルトリコは移動がなかったから有利だという意味ではない。大会前は1位通過をすれば、土曜日に試合をするはずだったんだ」
公の場で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の大会運営を批判したのは、メキシコ代表を率いるベンジー・ジル監督だ。
現在ロサンゼルス・エンジェルスでヘッドコーチを務め、アメリカ野球を熟知するジル監督が怒るのも無理はない。なにせ、メキシコ代表は、大会期間中にMLBが下した急な日程変更によって、タフな戦いを強いられたのである。
大会期間中の異例の決定だった。
当初のスケジュールでは、日本が準決勝まで勝ち進んだ場合には、1次ラウンドの順位に関係なくアメリカ代表と対戦する予定となっていた。実際、大会前にWBCの公式ホームページに掲載された組み合わせ表には、「1次ラウンドの順位に関係なく準決勝に進出すれば20日(日本時間21日)に対戦する」と注釈があったのだ。
しかし、事態はアメリカの1次ラウンド2位通過決定直後に変わる。放映権の問題も絡んでのせいなのか、アメリカの準々決勝(ベネズエラ代表)が、日本とは決勝まで当たらない18日(現地時間)のやぐらに変更となっていたのだ。これによりメキシコは同プールを首位通過したにもかかわらず、当初より1日前倒しでの準々決勝を余儀なくされたのである。
現地3月17日に行なわれたプエルトリコ代表戦でメキシコは5対4と逆転勝ちを収めたものの、ジル監督は「ここにきて物事を複雑化させ、アメリカは何位で通過しようとも土曜日にプレーすることにしたんだ」と日程に関する決定を嘆いた。
一連の文字通りの"アメリカ・ファースト"な決定に不満を露わにするのは、ジル監督だけではない。各国メディアからも疑問視する声が噴出しており、韓国の日刊紙『朝鮮日報』は「行なわれたのは、アメリカにとって絶対的な有利なスケジュール調整だ」と糾弾。そのうえで、「より深刻なのはアメリカが、MLBが大会前に示していた注釈とは異なる対戦カードとなったことだ」と断じた。
「MLBは1次ラウンドの2位通過が確定した16日の試合直後に、微妙にプランを変更した。その理由のひとつは、アメリカにとって今大会の日本がどう見ても手強い相手だったからだろう」
なお、大会期間中の日程変更について、MLBのチーフオペレーション兼ストラテジーオフィサー、クリス・マリナック氏は、東京ドームで急きょ開いた記者会見で「ベネズエラ、アメリカのプールが流動的だった」と説明。だが、詳細な説明を求めた記者の問いかけには応じていなかった。
この先、WBCが国際的な発展を遂げていくためには、理由が不透明な変更は、まずナンセンスだ。とくに出場するチームが不満を抱くような決定は成すべきではなく、そうした体質は改善していくべきだろう
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】メキシコ監督が "異例の日程変更"に「100%不利だ」と不満! アメリカの2位通過が"TV放送枠"の誤算に?【WBC】
【関連記事】なぜ試合直前に!? アメリカと"決定していた"侍ジャパンの準決勝の日程変更が波紋「会見が開かれること自体、不自然」
【関連記事】「まさに不公平だ」ダルビッシュ有が "異例の"中継ぎ登板!日本の"投手層の厚さ"に米記者は嘆き「馬鹿げてる」【WBC】
公の場で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の大会運営を批判したのは、メキシコ代表を率いるベンジー・ジル監督だ。
現在ロサンゼルス・エンジェルスでヘッドコーチを務め、アメリカ野球を熟知するジル監督が怒るのも無理はない。なにせ、メキシコ代表は、大会期間中にMLBが下した急な日程変更によって、タフな戦いを強いられたのである。
大会期間中の異例の決定だった。
当初のスケジュールでは、日本が準決勝まで勝ち進んだ場合には、1次ラウンドの順位に関係なくアメリカ代表と対戦する予定となっていた。実際、大会前にWBCの公式ホームページに掲載された組み合わせ表には、「1次ラウンドの順位に関係なく準決勝に進出すれば20日(日本時間21日)に対戦する」と注釈があったのだ。
しかし、事態はアメリカの1次ラウンド2位通過決定直後に変わる。放映権の問題も絡んでのせいなのか、アメリカの準々決勝(ベネズエラ代表)が、日本とは決勝まで当たらない18日(現地時間)のやぐらに変更となっていたのだ。これによりメキシコは同プールを首位通過したにもかかわらず、当初より1日前倒しでの準々決勝を余儀なくされたのである。
現地3月17日に行なわれたプエルトリコ代表戦でメキシコは5対4と逆転勝ちを収めたものの、ジル監督は「ここにきて物事を複雑化させ、アメリカは何位で通過しようとも土曜日にプレーすることにしたんだ」と日程に関する決定を嘆いた。
一連の文字通りの"アメリカ・ファースト"な決定に不満を露わにするのは、ジル監督だけではない。各国メディアからも疑問視する声が噴出しており、韓国の日刊紙『朝鮮日報』は「行なわれたのは、アメリカにとって絶対的な有利なスケジュール調整だ」と糾弾。そのうえで、「より深刻なのはアメリカが、MLBが大会前に示していた注釈とは異なる対戦カードとなったことだ」と断じた。
「MLBは1次ラウンドの2位通過が確定した16日の試合直後に、微妙にプランを変更した。その理由のひとつは、アメリカにとって今大会の日本がどう見ても手強い相手だったからだろう」
なお、大会期間中の日程変更について、MLBのチーフオペレーション兼ストラテジーオフィサー、クリス・マリナック氏は、東京ドームで急きょ開いた記者会見で「ベネズエラ、アメリカのプールが流動的だった」と説明。だが、詳細な説明を求めた記者の問いかけには応じていなかった。
この先、WBCが国際的な発展を遂げていくためには、理由が不透明な変更は、まずナンセンスだ。とくに出場するチームが不満を抱くような決定は成すべきではなく、そうした体質は改善していくべきだろう
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】メキシコ監督が "異例の日程変更"に「100%不利だ」と不満! アメリカの2位通過が"TV放送枠"の誤算に?【WBC】
【関連記事】なぜ試合直前に!? アメリカと"決定していた"侍ジャパンの準決勝の日程変更が波紋「会見が開かれること自体、不自然」
【関連記事】「まさに不公平だ」ダルビッシュ有が "異例の"中継ぎ登板!日本の"投手層の厚さ"に米記者は嘆き「馬鹿げてる」【WBC】