侍ジャパンが悲願の世界一まであと一歩と迫った。
現地3月20日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝のメキシコ代表戦に挑んだ日本代表は、1点ビハインドの9回裏に村上宗隆(ヤクルト)の2点タイムリーで6対5と逆転。ドラマチックな展開で、大接戦をモノにした。
「野球ってすげえなって」
試合後に栗山英樹監督は、涙ながらにそう語った。普段はクレバーな指揮官がエモーショナルになるほど、この勝利は大きなものだった。
無論、喜んでばかりもいられない。明日にはアメリカ代表との決勝がやってくる。栗山監督は試合後の会見で「スタートは、今永で行きます」と先発投手を断言した。
もっとも、準決勝の終了時点ではダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の先発も囁かれていた。だがしかし、指揮官は世界一を懸けた運命の大一番を今永昇太(DeNA)に託したのである。
栗山監督が今永にビッグゲームを左右する重要なマウンドを託すのは、絶大なる信頼があるからにほからない。今月10日の日韓戦でダルビッシュが降板した直後に登板し、3回を1失点、3奪三振と追い上げにかかる相手打線を封じ込めた際には「去年の秋から今永への信頼は僕の中で物凄くあった。本当に一番良いピッチャーがあそこで投げてくれた」と褒めちぎっていた。
NPBに所属する投手たちの多くが、通常よりも滑るというWBC球に苦しむなか、「僕は失敗してからじゃないと気づけない。少しの不安を持った方が僕は良い」と攻略法を追い求め続けた今永は淡々とアジャストしていった。事実、彼は今大会で自己最速となる154キロをマーク。先述の韓国戦では昨季にメジャーリーグでトップの回転数を誇ったタナー・スコット(マイアミ・マーリンズ)のそれを凌駕する最高2678回転も記録した。
こうしたパフォーマンスを見ても、29歳の左腕がアメリカとのビッグゲームに抜擢されるのは納得がいく。対峙するのはマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)やポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)らが顔を並べる世界屈指の強力打線だが、満を持して送り出される今永には期待をせずにはいられない。
構成●THE DIGEST編集部
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「野球ってすげえなって」
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もっとも、準決勝の終了時点ではダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の先発も囁かれていた。だがしかし、指揮官は世界一を懸けた運命の大一番を今永昇太(DeNA)に託したのである。
栗山監督が今永にビッグゲームを左右する重要なマウンドを託すのは、絶大なる信頼があるからにほからない。今月10日の日韓戦でダルビッシュが降板した直後に登板し、3回を1失点、3奪三振と追い上げにかかる相手打線を封じ込めた際には「去年の秋から今永への信頼は僕の中で物凄くあった。本当に一番良いピッチャーがあそこで投げてくれた」と褒めちぎっていた。
NPBに所属する投手たちの多くが、通常よりも滑るというWBC球に苦しむなか、「僕は失敗してからじゃないと気づけない。少しの不安を持った方が僕は良い」と攻略法を追い求め続けた今永は淡々とアジャストしていった。事実、彼は今大会で自己最速となる154キロをマーク。先述の韓国戦では昨季にメジャーリーグでトップの回転数を誇ったタナー・スコット(マイアミ・マーリンズ)のそれを凌駕する最高2678回転も記録した。
こうしたパフォーマンスを見ても、29歳の左腕がアメリカとのビッグゲームに抜擢されるのは納得がいく。対峙するのはマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)やポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)らが顔を並べる世界屈指の強力打線だが、満を持して送り出される今永には期待をせずにはいられない。
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