侍ジャパン

「日本の姿こそ本来の韓国野球」侍Jの世界制覇を見た韓国代表投手が母国球界への“本音”を吐露「認めなければ」

THE DIGEST編集部

2023.03.24

日本に敗れ、1次ラウンドで敗退する憂き目に遭った韓国ナイン。日本での苦しい日々を若手右腕が振り返った。(C)Getty Images、写真:梅月智史

 思わず心残りが滲み出た。

 現地時間3月18日、韓国日刊紙『朝鮮日報』の取材に応じた韓国代表投手のウォン・テインは、約1か月間に渡って開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で体感した"世界"への想いを口にした。

 韓国にとって決して愉快な大会ではなかった。初戦のオーストラリア代表戦(7対8)を落として迎えた日本代表との"日韓戦"は4対13と惨敗。その後は2連勝を飾ったが、3勝1敗とした豪州に及ばず1次ラウンド敗退。3大会連続で準々決勝への切符を取り逃したのである。

 大会後にイ・ガンチョル監督が「少しだけズレが生じた」と嘆いたように、今大会の韓国は投手陣の運用に苦戦。そのなかでウォン・テインも4.1回を投げ、防御率6.23、WHIP1.85と打ち込まれ、国内メディアからの批判の的となった。
 
 世界大会で「惨敗」と言える結果を残し、野球人気の低迷が叫ばれている。そんな逆風が吹きすさぶなかで、レギュラーシーズンに向けた調整を続けている22歳は「悔しい気持ちはずっとある」と吐露。さらに「初戦でオーストラリアに負けたのは率直に悔しかった。だけど、日本戦での負けは何よりも自分たちに腹が立った」とも続けた。

 そして、日本がアメリカ代表を破って世界一に輝いた決勝を「見た」と話すウォン・テインは、ひとりの野球人としての感想を告白した。

「本当にただただ凄くかっこいいと思った。僕らはそれを認めなければいけないと思う。メキシコ戦も、米国戦もそうだ。ビハインドから挽回した全選手が素晴らしかった。違う見方をするなら今大会の日本の姿こそが本来の韓国野球だったように思えるから残念だね。いまはああいうチームワークみたいなものを作り直す時期だと思う」

 同じアジア球界のライバルが世界に知らしめた粘り強さを称えたウォン・テイン。「楽しむことができていなかった」と語る22歳は、3年後のWBCでの雪辱を果たす覚悟だ。

構成●THE DIGEST編集部

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