現地時間３月21日（日本時間22日）、米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行なわれた第５回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）決勝は日本代表がアメリカ代表を３対２で下し、３大会ぶり３度目の世界一を掴んだ。

　コロナ禍を抜け、世界各地で国の威信と誇りを懸けた「野球の世界一決定戦」は、次大会に向けて大きな収穫になった。野球後進地域とも言われた欧州からチェコ代表が本大会に初出場。主軸の多くが野球だけでなく、金融トレーダーや教師、消防士など仕事を掛け持つ異色のチームは、初戦の中国戦で今大会初勝利を飾ると、グラウンド外では侍ジャパンの大谷翔平（ロサンゼルス・エンジェルス）や佐々木朗希（ロッテ）との温かい交流が話題を呼んだ。

　さらに、イタリア代表が激戦のプールAを勝ち抜き１次ラウンドを突破。準々決勝では侍ジャパンの前に力負けしたが、チームを率いたマイク・ピアザ監督は「我々は、イタリアの国を代表して出場することをとても誇りに思う。この素晴らしいゲームを世界に広めていきたい」と語るなど、同国の野球界にとって価値ある足跡を残した。
  　そんなヨーロッパ勢の健闘も目立ったWBCの盛り上がりは、英公共放送『BBC』も注目していた。同局は現地23日、日本がアメリカを破り、14年ぶりに世界一に輝いた記事を配信し、「WBC決勝の日米決戦は、スポーツの実力、ドラマ、そして日本のファンにとって待ちに待った勝利と、多くの面で成功を収めた」と記した。

　さらに決勝の最終回２死無塁の局面で実現した大谷とマイク・トラウト（エンジェルス）の直接対決についても記述され、「この2人は、アメリカのメジャーリーグで最も優れた選手の1人であり、2人ともロサンゼルス・エンジェルスに所属しているため、普段はぶつかることはない」と説明。「だから、最終回に行なわれた対決は、まさにファンタジーの世界だった」と強調した。

　大会MVPに輝いた大谷について同局は「ショウヘイ・オオタニは、すでに日本の国民的英雄」と評し、「彼は今大会で間違いなく世界で最も偉大な野球選手としての地位を確固たるものにした」とも記している。

　同メディアは最後に侍ジャパンの優勝は「日本のスポーツ史において、最も記憶に残る日のひとつ」と断言。「この勝利は、日本の誇りと歓声のために日本中をひとつにした」と締めくくっている。

　日本列島を熱狂の渦に巻き込んだ侍ジャパンのWBC制覇。その熱狂は海外メディアがいまだ無視できないほどのニュースになっている。

構成●THE DIGEST編集部

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