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侍ジャパン

ダルビッシュ有と交わした真夜中の作戦会議。“世界最強打者”トラウトを封じたエースの資料「かなり確信が持てた」【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.03.27

トラウトの弱点を見出した侍ジャパン。そのキッカケはダルビッシュが持っていた資料だった。(C)Getty Images

トラウトの弱点を見出した侍ジャパン。そのキッカケはダルビッシュが持っていた資料だった。(C)Getty Images

 熱戦の舞台裏が明らかになった。去る3月21日に幕を閉じたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のそれだ。

 日本代表がアメリカ代表との大接戦をモノにし、3対2で快哉を叫んだ一戦。文字通りの大一番で光ったのは、侍ジャパンの投手陣だった。

 2回裏に村上宗隆(ヤクルト)のアーチでアメリカに追いついた侍ジャパンは、1点を勝ち越して迎えた4回裏に岡本和真(巨人)の一発でダメ押す。そして、このリードを今永昇太(DeNA)、戸郷翔征(巨人)、高橋宏斗(中日)、伊藤大海(日本ハム)、大勢(巨人)とNPB投手陣で死守。ラスト2イニングはダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)による豪華リレーでしのぎ切った。

 メジャーでもトップクラスの実力を誇る強力打線を侍ジャパンはいかにして封じたのか。その裏側を3月26日に日本テレビで放送された「真相報道バンキシャ!」の取材に応じた村田善則バッテリーコーチが明かした。

 キッカケとなったのは、チーム最年長右腕からの電話だった。メキシコ戦を終えて宿泊するホテルに戻った際に、村田コーチはダルビッシュから「すみません、今から資料持って行きます」と連絡を受けたのだという。
 
 言うまでもなくメジャー経験も豊富なダルビッシュは、「かなりしっかりしたデータを持っていた」。それを別の資料とすり合わせた結果、史上最強の呼び声も高いアメリカの主砲マイク・トラウトが「意外とフォーシーム(ストレート)がはじけていなかった(打てていなかった)」と判明。これが強力打線を単調な攻撃に終始させた大きな要因となった。

 村田コーチは、エースとの真夜中のミーティングについて、こう話している。

「イメージとしては怖いじゃないですか、真っすぐを強打者に投げるのは。でも、そこを勇気持っていこうと。“それ”(ストレートで攻める)をしなければ、なかなか抑えるのが難しいバッターだと結論づけた。そういうところをダルビッシュ投手から聞いて、かなり確信が持てた」

 実際、ダルビッシュが講じた“策”はトラウトに対して有効だった。初回の今永こそ二塁打を打たれたものの、戸郷と高橋宏はストレートを中心とした攻めで空振り三振を奪取。そして9回のラストバッターとして対峙した大谷は160キロ超えの直球で追い込んでから、最後は17インチ(約43センチ)も横曲がりするスライダーで空振り三振に切って取った。

 投打がかみ合って世界一に輝いた侍ジャパン。最後の強敵をねじ伏せた要因は、村田コーチが、「ストレートを使いながら、それぞれのピッチャーがウイニングショットをしっかり使うことをやってくれた」と太鼓判を押す見事な配球と、エースと熟考した作戦の賜物だった。

構成●THE DIGEST編集部

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