いよいよ3月30日(セ・リーグは31日)に2023シーズンのプロ野球が開幕する。オープン戦を終え、各チームの戦力が見えてきた。そこで、開幕前に野球ライター氏原英明氏にペナントレースの順位を予想してもらった。
――◆――◆――
【氏原英明氏のセ・リーグ順位予想】
1位 阪神
2位 DeNA
3位 ヤクルト
4位 巨人
5位 中日
6位 広島
上位3チームはどこが優勝してもおかしくない。それくらいに力は拮抗している。
では、その中でなぜ、阪神を1位にしたのか。正直にいうと、他の2チームは今年も来年も優勝候補を争う位置にいるだろうと予測できるが、阪神に関しては今年の結果次第では大きく変わるように思えるからだ。言ってみれば、「優勝できるとしたら今年」という予想なのだ。
その理由は岡田彰布新監督の就任だ。
岡田監督の現場復帰はある年代の人たちにとっては「待望」だが、若い世代の虎党からしてみれば「古い時代への逆戻り」を感じている。実はこの「逆戻り」がキーポイントで、そこに今季の可能性を見出せるのだ。
その可能性とは前監督からの反動である。
周知のように、矢野燿大前監督は厳しさとはかけ離れ、緩いタイプの指揮官だった。放任主義とは言わないまでも、あまり選手にガミガミいうタイプではなく、むしろ、選手と一体となってワイワイやるタイプ。ベンチ前でのパフォーマンスなど賛否両論があったが、あの柔らかさが特徴のひとつだった。
しかし、結果を出すことはできなかった。
そこで岡田監督の存在である。日頃から厳しく、メディアに選手の悪評までも言ってしまうような人だ。一見、萎縮してしまいがちに感じるが、緩かったものが一旦引き締まる効果があり、ここに実は浮上のカギがあるのだ。今の阪神に必要なのは緊張感で、それがこの1年は大きな意味を持ってくる。
もっとも、そこには「戦力」が充実しているからと言える。
エース・青柳晃洋が君臨し、西勇輝、3年目のサウスポー伊藤将司は安定感がある。高卒4年目の西純矢にはブレイクが期待され、リリーフ陣もWBC代表の湯浅京己がクローザーを務め、安定感がある。
打線は爆発力があるものの、安定感がカギ。近本光司、中野拓夢の出塁をどう活かせるかだろう。ルーキー森下翔太が6番くらいを打っている状況なら期待できるだろう。
昨季2位のDeNAは今季の優勝候補と言っていい。何よりブルペンの充実が、他チームよりひとつ抜けている。現在、野球はいかにゲームセットから逆算できるかで、強力なクローザーの存在も頼もしいが、一人に頼るようだと疲弊してしまう。しかし、DeNAはメジャー移籍を目論んでいた山﨑康晃が残留を決定。昨季ブレイクした伊勢大夢には存在感があり、エスコバー、入江大生と人材が豊富だ。三嶋一輝も復帰予定だ。
スターターもWBC代表の今永昇太といったエース格がいる。濱口遥大、開幕投手を務める石田健大と枚数が揃っている。さらに、シーズン直前にはサイ・ヤング賞投手のトレバー・バウアーを獲得。問題行動さえ起こさなければ心強い。
打線は昨季、最多安打の佐野恵太、WBCで2本塁打を放った牧秀悟、ベテランの宮﨑敏郎と中軸がしっかりしている。リードオフマンがしっかり仕事をすれば、ある程度の得点は奪えるだろう。中日から獲得した京田陽太がどんな活躍するかも楽しみだ。
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【氏原英明氏のセ・リーグ順位予想】
1位 阪神
2位 DeNA
3位 ヤクルト
4位 巨人
5位 中日
6位 広島
上位3チームはどこが優勝してもおかしくない。それくらいに力は拮抗している。
では、その中でなぜ、阪神を1位にしたのか。正直にいうと、他の2チームは今年も来年も優勝候補を争う位置にいるだろうと予測できるが、阪神に関しては今年の結果次第では大きく変わるように思えるからだ。言ってみれば、「優勝できるとしたら今年」という予想なのだ。
その理由は岡田彰布新監督の就任だ。
岡田監督の現場復帰はある年代の人たちにとっては「待望」だが、若い世代の虎党からしてみれば「古い時代への逆戻り」を感じている。実はこの「逆戻り」がキーポイントで、そこに今季の可能性を見出せるのだ。
その可能性とは前監督からの反動である。
周知のように、矢野燿大前監督は厳しさとはかけ離れ、緩いタイプの指揮官だった。放任主義とは言わないまでも、あまり選手にガミガミいうタイプではなく、むしろ、選手と一体となってワイワイやるタイプ。ベンチ前でのパフォーマンスなど賛否両論があったが、あの柔らかさが特徴のひとつだった。
しかし、結果を出すことはできなかった。
そこで岡田監督の存在である。日頃から厳しく、メディアに選手の悪評までも言ってしまうような人だ。一見、萎縮してしまいがちに感じるが、緩かったものが一旦引き締まる効果があり、ここに実は浮上のカギがあるのだ。今の阪神に必要なのは緊張感で、それがこの1年は大きな意味を持ってくる。
もっとも、そこには「戦力」が充実しているからと言える。
エース・青柳晃洋が君臨し、西勇輝、3年目のサウスポー伊藤将司は安定感がある。高卒4年目の西純矢にはブレイクが期待され、リリーフ陣もWBC代表の湯浅京己がクローザーを務め、安定感がある。
打線は爆発力があるものの、安定感がカギ。近本光司、中野拓夢の出塁をどう活かせるかだろう。ルーキー森下翔太が6番くらいを打っている状況なら期待できるだろう。
昨季2位のDeNAは今季の優勝候補と言っていい。何よりブルペンの充実が、他チームよりひとつ抜けている。現在、野球はいかにゲームセットから逆算できるかで、強力なクローザーの存在も頼もしいが、一人に頼るようだと疲弊してしまう。しかし、DeNAはメジャー移籍を目論んでいた山﨑康晃が残留を決定。昨季ブレイクした伊勢大夢には存在感があり、エスコバー、入江大生と人材が豊富だ。三嶋一輝も復帰予定だ。
スターターもWBC代表の今永昇太といったエース格がいる。濱口遥大、開幕投手を務める石田健大と枚数が揃っている。さらに、シーズン直前にはサイ・ヤング賞投手のトレバー・バウアーを獲得。問題行動さえ起こさなければ心強い。
打線は昨季、最多安打の佐野恵太、WBCで2本塁打を放った牧秀悟、ベテランの宮﨑敏郎と中軸がしっかりしている。リードオフマンがしっかり仕事をすれば、ある程度の得点は奪えるだろう。中日から獲得した京田陽太がどんな活躍するかも楽しみだ。