韓国球界に逆風が吹き続けている。

　キッカケとなったのは、先の３月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック（WBC）での惨敗だ。大会を制した日本代表と同じプールBに属した韓国代表だったが、初戦のオーストラリア代表戦（７対８）に惜敗すると、悪しき流れを元通りに正せなかった。

　国内で「必死に勝ちに行くべき」（元巨人助っ人イ・スンヨプ談）とプレッシャーが強まるなかで迎えた第2戦の日韓戦では、相手先発のダルビッシュ有（サンディエゴ・パドレス）を攻め立てて３点を先行。しかし、直後に４点を奪われて逆転されると、あれよあれよと失点を重ね、４対13と大敗。大谷翔平（ロサンゼルス・エンジェルス）らを擁する侍ジャパンに実力差をまざまざと見せつけられる形で敗れたのだ。

　残る２試合は連勝を収めたものの、すでに自力突破の可能性を失っていた韓国は、あえなく３大会連続での１次ラウンド敗退の憂き目にあったのである。
  　悪い流れはどうしても続く。大会後、立て続けに韓国プロ野球選手による不祥事が発覚。球界への世間の目はより厳しく、そして冷ややかなものへと変わった。

　そうした状況下で現場にいる選手や首脳陣は危機感をヒシヒシと募らせている。現地４月２日には、キウム・ヒーローズを率いるホン・ウォンギ監督が国内メディア『OSEN』の取材に対して、厳しい口調で持論を語った。

「ワールド・ベースボール・クラシックが終わって、世界を知り、うちや他の選手たちも韓国野球の危機が訪れたことを真剣に受け止めたようだ。どうにかしてファンの皆さんが一人でも多く野球場に来られるように関心を持たせる方法をたくさん考えた」

　第一線でプレーする多くの選手や首脳陣は、「惨敗」を痛烈に批判されたWBCでの結果を重く受け止めている。はたして、その気づきが韓国球界にいかなる変化をもたらすのだろうか――。

構成●THE DIGEST編集部

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