野球界においてミスジャッジは付き物だ。近年はビデオ判定の導入などによって大きな誤審は減少傾向にあるが、依然として完全にはなくなっていない。
そんな球界における「ミスジャッジのリスク」を物語る出来事が韓国で起きた。この発端となったのは、去る4月7日に行なわれたKBOリーグ(韓国プロ野球)のロッテ・ジャイアンツとKTウィズの一戦での一コマだ。
4回表2死一、三塁でKTのキム・サンスが放った打球は二塁塁審のイ・ヨンジェに当たり外野へ。そのまま三塁走者は生還し、二塁走者は三塁へ進む。この時に審判団は得点を認める一方で、一塁走者は二塁に戻すというジャッジを下したのだが、これが大きな間違いだった。
KBO(韓国野球委員会)の設ける野球規則では「内野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者または審判員に触れた場合、あるいは内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールが、審判員に触れた場合──打者が走者となったために、塁を明け渡す義務が生じた各走者は進む」と記述。つまり打者走者に押し出されない走者の生還は認められないため、得点は無効とすべきだったのだ。
ロッテ側の抗議もなかったために、そのまま進行した試合は7対1でKTが勝利。4回の得点が響く形で終わっていた。
勘違いが招いたお粗末なジャッジを見逃さなかったのがKBOだった。試合翌日に当該判定を下した二塁塁審のイ・ヨンジェ氏を無期限の2軍降格と罰金100万ウォン(約10万円)、球審と一塁、三塁の塁審、さらに予備の審判員にもそれぞれ100万ウォンの罰金と厳重な処分を下したのである。
審判に対する異例2軍降格、それも無期限の処分とあって、韓国メディアでも驚きの声が広がった。日刊紙『ハンギョレ』は「歴史的に振り返っても史上最悪のジャッジだった」とイ・ヨンジェ氏を糾弾。同じく日刊紙『東亜日報』も「審判団は自分たちの過ちを正すこともしなかった」とし、「ロッテ側が抗議しなかったことは根本的な問題ではない。最初から間違った判定を下し、それに対して誰も気づかずに、正そうともしなかった審判側に大きな責任がある」と嘆いた。
わずかな過ちが大きな問題となる。あらためてプロの世界における厳しさを痛感させられる出来事だと言えよう。
構成●THE DIGEST編集部
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4回表2死一、三塁でKTのキム・サンスが放った打球は二塁塁審のイ・ヨンジェに当たり外野へ。そのまま三塁走者は生還し、二塁走者は三塁へ進む。この時に審判団は得点を認める一方で、一塁走者は二塁に戻すというジャッジを下したのだが、これが大きな間違いだった。
KBO(韓国野球委員会)の設ける野球規則では「内野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者または審判員に触れた場合、あるいは内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールが、審判員に触れた場合──打者が走者となったために、塁を明け渡す義務が生じた各走者は進む」と記述。つまり打者走者に押し出されない走者の生還は認められないため、得点は無効とすべきだったのだ。
ロッテ側の抗議もなかったために、そのまま進行した試合は7対1でKTが勝利。4回の得点が響く形で終わっていた。
勘違いが招いたお粗末なジャッジを見逃さなかったのがKBOだった。試合翌日に当該判定を下した二塁塁審のイ・ヨンジェ氏を無期限の2軍降格と罰金100万ウォン(約10万円)、球審と一塁、三塁の塁審、さらに予備の審判員にもそれぞれ100万ウォンの罰金と厳重な処分を下したのである。
審判に対する異例2軍降格、それも無期限の処分とあって、韓国メディアでも驚きの声が広がった。日刊紙『ハンギョレ』は「歴史的に振り返っても史上最悪のジャッジだった」とイ・ヨンジェ氏を糾弾。同じく日刊紙『東亜日報』も「審判団は自分たちの過ちを正すこともしなかった」とし、「ロッテ側が抗議しなかったことは根本的な問題ではない。最初から間違った判定を下し、それに対して誰も気づかずに、正そうともしなかった審判側に大きな責任がある」と嘆いた。
わずかな過ちが大きな問題となる。あらためてプロの世界における厳しさを痛感させられる出来事だと言えよう。
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