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MLB

「フジは投げ急ぐ」ア軍女房役が藤浪晋太郎の“悪癖”を指摘! 「厄介なスプリット」を活かすためにも改善を

THE DIGEST編集部

2023.04.16

メジャー3連敗となった藤浪。バッテリーを組んだ捕手のペレスと次戦に向け手応えを掴んでいる。(C)Getty Images

メジャー3連敗となった藤浪。バッテリーを組んだ捕手のペレスと次戦に向け手応えを掴んでいる。(C)Getty Images

 現地4月15日、オークランド・アスレチックスの藤浪晋太郎はニューヨーク・メッツ戦に先発登板。6回0/3(92球)を投げ、被安打4、3失点で今季3敗目を喫した。

 この日の藤浪は課題の制球の乱れも少なく、6回終了時での四死球はわずか2個。悲願のメジャー初勝利も目前に迫っていたが、チームが1点をリードしていた7回の先頭バッターに左中間へ同点ソロ本塁打を許すと、直後に四球を与えたところで降板した。

 その後は救援陣が打たれ、試合は2対3でメッツに逆転負け。敗戦投手となった藤浪は開幕から白星がつかず3連敗となった。だが、過去2試合とは違い、ゲームを作ったのは明らか。それはチームメイトも理解しているようだ。

 藤浪とバッテリーを組んだキャッチャーのカルロス・ペレスは試合後に「僕はフジが素晴らしいものを持っていることは知っている。厄介なスプリッターだ。ストライクを投げられるようになれば、いい投球ができるはずだと思ってたよ」と評した。
 
 さらに米メディア『FanNation』によると、藤浪は「ペレスが素晴らしいゲームをコールしてくれた」と語った。特にポイントに挙げたのが5回。ルイス・ギロームを四球で歩かせ、さらにフランシスコ・アルバレスと対峙した時だった。

 日本人右腕は、カウント2-2とアルバレスを追い込んだ後、5球目156キロの直球で空振り三振を奪った。その直後、次の打者を迎える時にペレスはタイムをコール。投球する間、ひと呼吸置いてペレスは藤浪を落ち着かせるよう合図したのだった。

 藤浪は「僕にとっては最高のタイミングだった」と通訳を介し、その場面を評価した。キャッチャーのペレスも「フジを少し落ち着かせようとしただけだ。彼はときどき投げ急ぐんだ。(あの場面は)同じ考えだったので良かった」と前の打席で右安打を打たれたブランドン・ニモ相手に、しっかりと腰を据えた藤浪は右ライナーに打ち取り、ゼロに抑えた。

 指揮を執るマーク・コッツエイ監督は「フジにとっても、我々にとっても、素晴らしい前進だ」と黒星だったとはいえ、過去2試合とは見違えるピッチングを披露した藤浪に好評価を与えた。さらに、「カルロスが素晴らしい仕事をしてくれた」と同メディアに語っており、次戦も2人のバッテリーでいくことを示唆した。

 試合後「ペレスへの投球は心地良かった」と話す藤浪。メジャーの舞台で新たに組んだ女房役と確かな手応えを掴んだ29歳は、次戦でMLB初勝利を掴むことができるか。まずは投げ急ぐ癖を直していく必要がありそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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