現地４月20日、メジャー通算134勝の実績を誇るマディソン・バムガーナーがダイヤモンドバックスを事実上の戦力外となった。

　2007年にドラフト全体10位指名でジャイアンツに入団したバムガーナーは09年９月に20歳１ヵ月でメジャーへ昇格。10年、12年、14年と３度も世界一に貢献し、オールスターにも３回選ばれるなど押しも押されぬエースとして活躍した。14～15年にはシルバースラッガーを受賞するなど、強打の投手としても名を馳せた。

　中でも際立つのがポストシーズンでの強さ。通算16登板（14先発）で８勝３敗、防御率2.11。ワールドシリーズでは36.0回で防御率0.25、４勝０敗とさらに強い。ロイヤルズと対戦した14年のワールドシリーズでは、第５戦で完封勝利を挙げると、第７戦では中２日で５回からマウンドへ。５イニングを無失点に封じて“胴上げ投手”となり、シリーズMVPにも選ばれた。 　だが、19年オフに５年8500万ドルでダイヤモンドバックスに加入してからは不振続きで、今季もここまで４試合で防御率10.26と大炎上。移籍後の通算成績は15勝32敗、防御率5.23という惨状で、Ｄバックスは24年までの残り契約およそ3400万ドル、日本円にして約45億円を負担してでも戦力外にする道を選んだ。

　Ｄバックスでの最後の登板となった19日の試合では、対戦相手のウィルソン・コントレラス（カーディナルス）と口論。一触即発の雰囲気となる場面もあった。８月で34歳となるベテラン左腕に再起のチャンスを与えるチームは果たして出てくるだろうか。

構成●SLUGGER編集部