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大投手シャーザーの退場処分で再脚光の不正投球。ダルビッシュ有が指摘していた「本質的な問題点」<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.04.20

不正投球で退場処分を受けたシャーザー。21年の取り締まり強化以降、3人目の違反者となった。(C)Getty Images

不正投球で退場処分を受けたシャーザー。21年の取り締まり強化以降、3人目の違反者となった。(C)Getty Images

 サイ・ヤング賞を3度も受賞した大投手マックス・シャーザー(メッツ)の“不正投球退場”が大きな話題を呼んでいる。

 4月19日(現地)、敵地でのドジャース戦に先発したシャーザーは、グラブにロジンバッグを付着させていたとして退場処分を受けた。規定では、ロジンの使用は手首や前腕にのみ認められ、グラブやユニフォームに付着させることは禁止されている。シャーザーは試合後の会見で不正を否定。「子どもたちの命に懸けて(異物は)使っていない」と、あくまでもロジンと汗が混ざっただけだと主張している。

 MLBではここ数年、粘着物質を使った不正投球が大きな問題となっていた。2021年6月、『Sports Illustrated(SI)』誌が「スポーツ界最大のスキャンダルになるはずの問題」と題して特集記事を発表。記事では、投球の回転数を高めるためロジンに粘着物質を混ぜることが球界中で横行していることが指揮されるとともに、「全体の80~90%投手が異物を使っている」との証言も紹介された。

 この記事は大きな波紋を呼び、MLB機構は直後に異物付着の取り締まりを強化。ロジンの使用は引き続き認められたが、それ以外の物質を混ぜることは禁止され、投手は登板するごとに必ず1度は審判に異物使用をチェックされることになった。
 
 取り締まり強化から約2年。「不正投球」のかどで退場処分を受けた投手は、21年6月のヘクター・サンティアゴ(マリナーズ)、同年8月のケイレブ・スミス(ダイヤモンドバックス)に次いで、今回のシャーザーで3人目となる(ちなみにアメリカでは、退場を宣告したのがいずれも同じ審判だったことも波紋を呼んでいる)。

 実は、MLB機構は今季開幕前に不正投球の取り締まりをさらに強化する旨を各球団に通告していた。4月15日には、ヤンキースのドミンゴ・ヘルマンが異物付着を発見されながら、手を洗うことを条件に継続して投げることを許可され、それに抗議したツインズのロッコ・バルデリ監督が逆に退場処分を受ける事件も起きていた。

 不正投球で退場処分を受けた投手には、即10試合の出場停止処分が下されるが、機構への不服申し立ても可能。果たしてシャーザーの“有罪”は確定するのかどうか、今後の展開に注目が集まる。

 同時に今回の一件は、審判団による取り締まり強化は不正投球問題の本質的な解決につながらないのではないか、という懸念を改めて炙り出したとも言える。
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