今季終了後の二刀流スターの去就について、かつての指揮官が熱弁。その発言が興味深い内容だとして、米メディアで話題に上がっているようだ。

　熱弁した人物とは、ロサンゼルス・エンジェルス前監督のジョー・マドン氏だ。同氏は現地25日、米メディア『The Athletic』のポッドキャスト番組『Starkville』に出演。番組のトーク内容をニューヨーク・メッツの地元放送局『SNY』が報じた。

　同番組内でマドン氏は、かつての愛弟子に対し「私はショウヘイ・オオタニがWBCでマイク・トラウトを三振させて、優勝したときのように生き生きとした姿を見たことがない」と述べた。

　大谷は３月に開催されたWBCでも、自身の代名詞である二刀流を遺憾なく発揮し、侍ジャパンの世界一に貢献。大会MVPを受賞した。マドン氏は、今オフに大谷がフリーエージェント（FA）になることに触れ、その去就について興味深い発言をしたのだ。

　同氏は「私はオオタニをたくさん見てきたし、会話もした。彼は本当にいい男だが、闘志が溢れ、すべての感情を爆発させたような表情は見たことがない」と述べ、エンジェルスで指揮を執っていた時とは全く違う大谷の表情がWBCで見れたことが一番印象に残ったと語った。

　かつての指揮官はWBCのような雰囲気でプレーし、勝つ喜びを知ったことは、二刀流スターが今季終了後FAになった場合、自らの去就を決断する際に大きな要因になると考えているようだ。

　マドン氏は「ショウヘイは勝ちたいんだ！何よりも勝つチャンスがある、優勝するチャンスがある、毎年優勝を狙えるチームの一員になれると確信できるところに行きたいと考えている。それは彼にとって重要なことだ」と語る。加えて、「日本のスーパースターは、MLBに来た当初よりも西海岸を離れることを望んでいるかもしれない」と言い切り、その理由を次のように語っている。

「オオタニはアメリカナイズされ、この国の多くの人々の心を捉えたと思う。今なら、どこに行っても野球ができるし、気持ち良くプレーできると思うんだ。彼は今、どこにでも適応できる。それがすべてを広げてくれる」
  　昨シーズン途中まで、ベンチで一緒に戦っていた教え子の将来について熱く語るマドン氏のトークは止まらない。「オオタニは今、野球をするためならどこにでも行くと思う」と言い、「（今オフは）多くの求婚者がいるだろう」と大谷の去就について分析。稀代の二刀流スターの契約を成立させるためには、巨額の資金が必要になると断言する。

「彼がもしFAになった場合、何チームかに競り落とされることになるだろう。法外な金額を費やすことを厭わないのであれば、多くの球団にチャンスがあるかもしれないが」

　一方で、エンジェルスが大谷と再契約する可能性はあるのか。同氏は「チャンスがあるとすれば、2014年以来遠ざかっている”プレーオフ進出”が絶対条件だ」という。よって、「（再契約の可能性は）あまり高くはない」と語った。

　かつての恩師も興味を抱く大谷の去就の行方。稀代の二刀流スターは、来シーズンもエンジェルスの赤いユニフォームを着ているのか。それとも――。興味は尽きない。

構成●THE DIGEST編集部

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