現地４月27日に行なわれた本拠地でのオークランド・アスレティックス戦で、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が3番・DH兼投手で先発登板。打っては５打数３安打１打点。投げては６回３安打５失点８奪三振（５四死球）で今季４勝目を挙げ、勝利に貢献した。

　この日は、雲一つない快晴の中での試合、前回登板より中５日での先発登板となった大谷は上々な立ち上がり。

 　初回の大谷はわずか９球で三者凡退に抑えた。その裏の第１打席は、カウント２ー２から２球続けてファールで粘った後、バットを折られながらもセカンド前に転がし、一塁へ全力疾走して見事に内野安打とした。

 その後、２回、３回を続けて三者凡退で打ち取り、ここまでスイーパーを軸に5奪三振を奪うピッチングでアスレティックス打線をノーヒットに抑え、完璧に封じ込んだ。

　試合が動いたのは３回裏、エンジェルス打線はこの試合初めてのチャンスを作る。無死一、三塁で第２打席を迎えた大谷は、カウント２ー１から４球目のフォーシームを見事に弾き返す。打球はショートの横を抜けるタイムリーヒットとなり、エンジェルスが１点を先制した。その後も、４番アンソニー・レンドーンの犠牲フライ、５番ブランドン・デュルーリーの３ランホームランで４点を追加し、この回エンジェルスは５得点。好投を続ける大谷に味方もバッティングで応えた。

　しかし４回表、ここまで完璧な投球を披露していた大谷の制球が乱れる。先頭打者に死球を与えると、続く打者にも四球を与えると、無死一、三塁のピンチで３ランホームランを被弾。もう一度死球を挟んだ後に２ランを許して、計５失点で同点に追いつかれる。昨季から79イニング連続で被弾を許していなかった大谷であったが、無念にも記録は止まってしまった。

　だが、５回はわずか７球で相手打線を抑えるなど、大谷はピッチングを完璧に修正。この裏に味方が勝ち越した。続く６回も味方の好プレーなどで無失点で切り抜けた大谷は、勝利投手の権利を得て、マウンドを降りた。

　そして６回裏第４打席。高めのチェンジアップを強振した打球はあとひと伸びが足りずホームランとはならなかったが、フェンスに直撃。この間に大谷は三塁へ激走し、今季初のスリーベースヒットを放った。

　ホームランが出れば史上初の「先発試合でサイクルヒット」の快挙達成となる第５打席。大谷は初球のスライダーに反応、完全に狙っていたスウィングで放たれた打球はセンター後方まで伸びる。だが、フェンス手前で惜しくも失速して、歴史的偉業はならずだった。

　試合はエンジェルスが８対７で勝利。大谷は無傷の開幕４連勝、エンジェルスもこれで３連勝となった。

構成●SLUGGER編集部