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「彼は劇的に進化した」吉田正尚の絶好調ぶりを裏づける“変化球打ちスタッツ”にMLB記者も驚嘆!「9000万ドルの価値を示す」

THE DIGEST編集部

2023.05.10

迷いが感じられない吉田。5月に入ってから一度も「空振り」をしていない。これもまた驚愕の事実だ。(C)Getty Images

 ボストン・レッドソックスの吉田正尚が「ア・リーグ週間MVP」を獲得した。5月1~7日のずば抜けた出来を評価されたもので、日本人ルーキーとしては6人目の快挙となる。同期間の数字は打率.470、2本塁打、8打点、OPS1.319などいずれも圧倒的だ。

 そんな吉田の絶好調ぶりを受けて、MLB公式サイトのコール・ヤコブソン記者が「ヨシダは本物か? 進化したスタッツが物語る」と題したレポート記事を掲載した。

 吉田がV字回復のきっかけを掴んだのは、4月20日のミネソタ・ツインズ戦だ。その試合で2本のヒットを放つと、以降は16試合連続で安打を継続し、レッドソックスの快進撃を牽引している。ヤコブソン記者は「ヨシダはコーチングスタッフと相談しながら、あらためて打撃のスタンスを見つめ直して改善した。わずかに開いて調整することで、シーズン序盤とは比較にならないほどボールがよく見えるようになったのだ。ヨシダ自身がアレックス・コーラ監督に『スイングすべきボールを選べるようになった』と説明している」と伝えた。

 そのうえで、「空振りが激減した」「ボール球でも確実にコンタクトできている」「打球角度が平均-5.1度から+5.9度に大幅上昇」といった変化と進化がもたらされたという。

 さらに踏み込んだ同記者は、吉田の変化球に対する打撃スタッツに舌を巻く。「フォーシームに関しては4月20日の以前から上手く対応できていた。フォーシームがラストボールだった24回の打席で、打率.350、出塁率.458、長打率.500の数字だったのだから」と数字を紹介。「苦しんでいたのはスライダー、カーブ、スプリッター、チェンジアップなど変化球への対応だ。19打席中1本しかヒットを打てなかった」と記している。
 
 しかし4月20日以降、変化球に対するスタッツ(26打席)は以下のように改善された。

打率 .053 → .409
予測打率 .172 → .404
出塁率 .143 → .462
長打率 .105 → .818
予測長打率 .229 → .857
wOBA .127 → .521
予測wOBA .222 → .532
打球角度 -5.1度 → +11.1度

 そして最後にヤコブソン記者は、「ヨシダは劇的な進化を遂げており、それは数字上でも明らかだ。入団前はパワーや守備力などを懸念する声もあったが、彼はその実力を遺憾なく発揮しはじめている」と評し、「もしこのまま進化を続けるならば、レッドソックスが定めた9000万ドル(約120億円)の価値をしっかりと示していくに違いない」との一文で締めくくった。

 現地5月9日からはナ・リーグ東地区で首位を快走するアトランタ・ブレーブスとの2連戦に臨む。はたして現在メジャー最長の16試合連続安打をどこまで伸ばすのか、"マッチョマン"吉田のハイパフォーマンスに期待がかかる。

構成●THE DIGEST編集部

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