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「“和製フアン・ソト”の理由を証明!」米記者が吉田正尚の打撃センスを絶賛!「四球が多い」と抜群の選球眼にも注目

THE DIGEST編集部

2023.05.15

メジャーで確かな存在感を示している吉田。先日は週間MVPを受賞した。(C)Getty Images

 小柄な日本人スラッガーの才能に、米識者も驚きを隠せない。 

 現地5月13日に本拠地で行なわれたセントルイス・カーディナルス戦で、ボストン・レッドソックスの吉田正尚は「5番・指名打者」で先発出場。3打数1安打1四球で、2試合連続安打を放ったが、チームは3対4で敗れた。

 吉田は5月に入ってから11試合に出場し、ノーヒットは2試合のみ。13日終了時点で打率.307、39安打、6本塁打、24打点、OPS.894と高いスタッツを維持している。チームメイトや首脳陣も"マッチョマン"の非凡な打撃技術に信頼を寄せるなか、現地記者も29歳の活躍に熱視線を注ぐ。

 米スポーツメディア『The Athletic』のニック・グローク記者は「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でブレイクしたスター選手の中には、日本とボストンを代表する左翼手がいる。それは、マサタカ・ヨシダだ」と、ここまでレッドソックスの主軸を担う吉田を特集する記事を配信した。

 記事ではまず、「ヨシダは侍ジャパンにあって、当時絶好調のトレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)を含む出場選手の中で、最も多くの走者を返し、打点を生み出すマシンとなった。7試合で三振はわずか1回だけだ」と3月に開催されたWBCで史上最多13打点の大活躍を見せたと紹介する。

 続いて、「メジャーリーグでの1年目を闘ういま、ヨシダはNPBで培ったプレートアプローチをレッドソックスでのブレイクにつなげている。日本のオリックス・バファローズでチームメイトだったアダム・ジョーンズが、ヨシダを『和製フアン・ソト』と評した理由を、アメリカのファンたちに証明しはじめているのだ」と言及。広角に打ち分けるバッティング技術が、メジャーの舞台でも威力を発揮していると強調した。
 
 特にグローク記者が注目したのが、吉田の抜群の選球眼だ。昨季の吉田はオリックスで、打率.335、出塁率.447、長打率.561、OPS1.008とハイアベレージを叩き出した。さらに、三振41に対し四球80と2倍近い四球を記録。同記者は「MLBでもNPB時代と同じような活躍をしており、最初の30試合でOPSはなんと.901だ。そして、やはり彼は三振より四球の数のほうが多い」と指摘する。

 事実、開幕からシーズンのほぼ4分の1となる40試合を消化し、吉田は15四球、15三振。メジャー1年目の開幕後、チームの40試合消化時点(先発30試合以上)で「三振が四球以下」なのは、メジャー日本選手では歴代初だ。選球眼の良さは、メジャーの舞台でも健在であることを証明している。

 同記者は「WBCの主役たちの中で、ヨシダはおそらくMLBシーズンで最も活躍している新人であろう」と評する。加えて、「ボストンが5年9000万ドル(約122億円)の契約を結んだ後、ファンの間では彼がNPBから移籍してすぐに活躍できるかどうかを疑問視する向きもあったが、それはすでに収まりつつある」と言い、「いろんな意味で期待以上の活躍をしている」と称えて記事を締めくくっている。

 メジャー挑戦1年目にして、吉田の打棒は米球界で確かな足跡を残している。

構成●THE DIGEST編集部

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