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トラウトとの“激似”ぶりで話題のハンター・レンフローはパワー&強肩が自慢の愛すべきカントリーボーイ<SLUGGER>

ジェフ・フレッチャー

2023.05.16

見れば見るほどトラウトにそっくりなレンフロー。似ているだけでなく、実力も確かだ。(C)Getty Images

 昨年11月、エンジェルスはブルワーズとのトレードでレンフローを獲得し、ついに2人を邂逅させた。また、これでレンフローは5年続けて違うチームのユニフォームを着てプレーすることになった。
 レンフローとトラウトがチームメイトになったことで、サインを求めるファンが2人を混同してしまう場面も見られるようになった。今年2月に、球団公式ツイッターが2人の写真を並べて投稿した際には「まるで双子だ」という声が数多く上がった。

 そっくりな2人の選手が外野を守っているのを見るのは楽しいが、それだけではない。レンフローが攻守で活躍することは、エンジェルスにとって2023年シーズンの目運を左右する死活問題なのだ。

 現在31歳のレンフローは、パンデミックに見舞われた20年を除いて、メジャーでフルシーズンを過ごした5年間で必ず25本塁打以上を放ち、OPSは常に.750~.820の間に収めてきた。

 レンフローいわく、安定した成績を残す秘訣は可能な限り故障を避けることだという。
「一番大事なのは、健康を維持して試合に出ることだ」とレンフローは語る。「それから、練習でも試合でも毎日同じ動作を繰り返すこと、全力を尽くしてプレーすることだね。相手ピッチャーについてよく知ることも大事だ」

 5月14日時点で、トラウトや大谷翔平を上回りチーム最多&リーグ3位の10本塁打を放つなど、ここまでは期待通りの活躍を見せている。レンフローはまた、球界全体で三振が増え続けている中で、ここ3年続けて三振率を改善させている。

「ストライクゾーンに来た球をしっかり振ること、追い込まれた場面では必ずバットに当てるよう強く意識すること」が重要だ、とレンフローは言う。

 昨年のエンジェルスは、打線全体で三振が多すぎた(リーグワーストの1539個)ことが7年連続負け越しの一つの要因となっていた。21年までは投手力不足が悩みの種だったエンジェルスだが、昨年は得点力不足が深刻だった。

 だからこそ、ペリー・ミナシアンGMはレンフローの獲得に動いた。

「彼は毎年、安定した成績を残してくれる、生産性の高い選手だ」。トレードで獲得した直後、ミナシアンGMはレンフローについて語った。「打撃だけでなく、守備でも貢献してくれる。攻守を備えたトータルパッケージだ。うちのチームにフィットしてくれると判断したんだ」
 
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高校時代はアメフトや陸上でも活躍