二刀流スターの快足ぶりに敵将もお手上げだった。

　大谷翔平（ロサンゼルス・エンジェルス）は現地18日、敵地でのボルティモア・オリオールズ戦に「3番・指名打者」でスタメン出場。第１打席で右翼席に３試合ぶりの10号ソロを放ち、５打数２安打２打点で打率.292と上昇。チームは６対５で接戦を制し、連敗を「２」でストップした。

　初回に先制ソロ弾を打って以降は左飛、三飛、中飛と３打席連続で凡打に倒れていた大谷だが、見せ場は５対５の同点に追い付いた８回に訪れた。３回に２試合連続ホームランを放ったマイク・トラウトが死球を受け、２死満塁と勝ち越しのチャンスで大谷に５度目の打席が回ってきた。

　なんとか抑えたいオリオールズ指揮官は、６番手にダニー・クーロムを投入するが、二刀流スターは初球の外角スライダーに体勢を崩されながらも反応。鋭いゴロが一、二塁間へ飛んだ。ファーストのライアン・マウントキャッスルが横っ飛びで捕球するが、大谷は俊足を飛ばし激走。ベースカバーのクーロムが間に合わず、大谷のタイムリー内野安打でエンジェルスが勝ち越しに成功した。これが決勝点となり、オリオールズは敗北した。
  　このシーンについて、MLB公式サイト『MLB.com』のジョー・トレッツァ記者は自身のツイッターに「ショウヘイ・オオタニは全てをやったと思った途端、彼はまた新しいことをする」と綴り、「彼は７回以降で、キャリア初の勝ち越し内野安打を放って、シーソーゲームの８回にエンジェルスをリードに導いた」と決勝点を叩き出した大谷の快足ぶりに注目した。

　同記者は続けて、「オオタニはトップスピードの秒速28.7フィート（8.7メートル）に達し、ダニー・クーロムとライアン・マウントキャッスルとの一塁ベースへの競走に勝った。オオタニは一塁線上をわずか4.22秒で駆け抜けた！」と大谷の一塁への到達スピードを記した。

　オリオールズのブランドン・ハイド監督も、エンジェルスの背番号17の快足ぶりを称えるしかなかった。同チームの地元メディア『The Baltimore Banner』によると、「（大谷は）3秒くらいで走っていたのではないか。（ボールが渡っても）どの道セーフだったと思う」と論じると、「クーロムはオオタニ相手にいい投球をしていたが、彼は素晴らしい走者だ。我々は１点を追いかけることになった」とコメントしている。

　バットだけでなく、足でも勝利に貢献した大谷。”元祖二刀流”ベーブ・ルース生誕の地で、現代の二刀流が類いまれな才能を遺憾なく発揮した。

構成●THE DIGEST編集部

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