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MLB

「ステロイド」コールの大合唱に豪快弾と指揮者ポーズで応えたタティースJr.。“天性の煽り性能”をまたも発揮!<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.05.27

超豪快な弾丸アーチを放っただけでなく、NYのファンを逆撫でするようなパフォーマンスも披露したタティースJr.。「ヒール」としての株はまた上がった?(C)Getty Images

超豪快な弾丸アーチを放っただけでなく、NYのファンを逆撫でするようなパフォーマンスも披露したタティースJr.。「ヒール」としての株はまた上がった?(C)Getty Images

 この男の“鋼のメンタル”ぶりには、ただただ恐れ入るばかりだ。

 昨季、禁止薬物使用で80試合の出場停止処分を受け、ファンやメディアから大きな批判を浴びたフェルナンド・タティースJr.(パドレス)。21年に本塁打王を獲得した若きスーパースターはこの一件でアディダスのアンバサダーから降板させられるなど、一気に評判を落とした。今年5月に処分が明けて戦列に戻った後も、遠征先では行く先々で激しいブーイングを浴びている。

 ヤンキー・スタジアムに乗り込んだ5月26日(現地)の試合でも、ヤンキースファンから当然のように激しい罵声を浴びせられた。ところが、タティースJr.はどこ吹く風。6回には「ステロイド!」コールの大合唱が場内に響き渡る中、弾丸ライナーでレフトのアッパーデッキまで飛ばす飛距離439フィート(133.8m)の豪快弾を放ってみせた。

 それだけではない。今度は、右翼席のヤンキースファンからのブーイングに対し、オーケストラのコンダクターのごとく指揮を執るジェスチャーで対抗してみせたのだ。
 
 実は、タティースJr.は復帰直後の4月下旬のリグリー・フィールドでの試合でも、カブスファンからの「ステロイド」コールに腰を振りながらリズムを取って合わせるという前代未聞の「開き直り」パフォーマンスを見せたことがあった。

 強烈なブーイングを浴びて意気消沈するわけでも、怒ってみせるわけでもなく、倍返しで相手を煽るパフォーマンスで対抗してみせるタティースJr.。元はと言えば自業自得なのだが、あまりにも強靭なメンタルぶりに、かえって感心してしまうほどだ。

 試合後、タティースJr.は「ファンに楽しい時間を与えてあげただけさ」と、またもヤンキースファンを逆撫でするようなコメント。天性の煽り性能と強靭メンタルを遺憾なく発揮しているタティースJr.は、「MLBをしょって立つ若きスーパースター」から「球界一のヒール」へと鮮やかに変貌しつつある。

構成●SLUGGER編集部
 
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