今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で14年ぶりの世界一に輝いた侍ジャパン。3大会ぶりの頂点に辿り着くまでの軌跡を振り返るドキュメンタリー映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」の公開記念舞台挨拶が6月4日、都内で行なわれた。
ゲストには、5月末で侍ジャパンの監督を退任した栗山英樹氏と映画監督の三木慎太郎氏が登壇した。三木氏はチーム専属カメラを回すにあたり「選手も監督も見られたくないと感じていたので、どう気付かれずに隠して撮るかをずっと考えていた。近付かないと音が録れないので」と話し、撮影時の苦労を吐露した。
トークのなかで栗山氏と三木氏は、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が、メジャー組のなかで唯一2月の宮崎合宿から参加した日を回顧した。
まず栗山氏は、「選手みんなが楽しそうに野球をやっている空気をダルが作ってくれた」と感謝を口にする。「たぶん僕は歴代の監督のなかで監督主催の食事会をやっていない最初で最後の監督かもしれない」と自嘲気味に話すと、「選手同士が信頼関係を作るのが一番だったので。そういう意味ではダルがすごいいっぱいお金を使ってくれたと思います」と会場の笑いを誘った。
三木氏も同様にチーム最年長右腕の参加は大きなプラスだったと感じたようで、「彼が相当引っ張ってくれた」と主張。「ピッチャー陣だけでなく野手にも声をかけてアドバイスをしていた。彼がそういう役回りをしたので、チームが大きくまとまっていった」と振り返る。
侍投手陣のなかで、三木監督は山本由伸(オリックス)の意外な才能を発見したという。同投手は準決勝メキシコ戦で登板していたため、決勝のアメリカ戦には登板できなかった。そこで、同監督は2021年の東京五輪に続いて、WBC優勝の瞬間を彼に撮影依頼。すると、「完璧なカメラワークだった」と興奮気味に語った。
映像を確認してみると、「大谷選手、トラウト選手を画角に入れて。WBCマークも入れてあって完璧だった。それをポスターに採用しました」と驚愕の事実を明かした。さらに、「(カメラも)ブレずに大谷選手がグラブを投げるのも全部撮って。ブルペンからの選手らも全部押さえているんですよ」とカメラマン・山本由伸をベタ褒め。これには栗山氏も「なんでもできるんですね。さすがです」と沢村賞右腕の腕前に感服した。
集まったファンに向けて栗山氏は「映画見てやばかった。いろんな思いがこみ上げてきた」と感慨深げに話すと、「苦しくなったときに、後ろで選手たちがこんな表情で前向きだったのを(映画で)見ると、この選手たちすげえなって。彼らを信じて、任せて野球をやったのは本当に良かったなと思えるので、みなさん泣いて帰ってください」と晴れやかに破顔。最後は深くお辞儀をして、会場を去った。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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トークのなかで栗山氏と三木氏は、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が、メジャー組のなかで唯一2月の宮崎合宿から参加した日を回顧した。
まず栗山氏は、「選手みんなが楽しそうに野球をやっている空気をダルが作ってくれた」と感謝を口にする。「たぶん僕は歴代の監督のなかで監督主催の食事会をやっていない最初で最後の監督かもしれない」と自嘲気味に話すと、「選手同士が信頼関係を作るのが一番だったので。そういう意味ではダルがすごいいっぱいお金を使ってくれたと思います」と会場の笑いを誘った。
三木氏も同様にチーム最年長右腕の参加は大きなプラスだったと感じたようで、「彼が相当引っ張ってくれた」と主張。「ピッチャー陣だけでなく野手にも声をかけてアドバイスをしていた。彼がそういう役回りをしたので、チームが大きくまとまっていった」と振り返る。
侍投手陣のなかで、三木監督は山本由伸(オリックス)の意外な才能を発見したという。同投手は準決勝メキシコ戦で登板していたため、決勝のアメリカ戦には登板できなかった。そこで、同監督は2021年の東京五輪に続いて、WBC優勝の瞬間を彼に撮影依頼。すると、「完璧なカメラワークだった」と興奮気味に語った。
映像を確認してみると、「大谷選手、トラウト選手を画角に入れて。WBCマークも入れてあって完璧だった。それをポスターに採用しました」と驚愕の事実を明かした。さらに、「(カメラも)ブレずに大谷選手がグラブを投げるのも全部撮って。ブルペンからの選手らも全部押さえているんですよ」とカメラマン・山本由伸をベタ褒め。これには栗山氏も「なんでもできるんですね。さすがです」と沢村賞右腕の腕前に感服した。
集まったファンに向けて栗山氏は「映画見てやばかった。いろんな思いがこみ上げてきた」と感慨深げに話すと、「苦しくなったときに、後ろで選手たちがこんな表情で前向きだったのを(映画で)見ると、この選手たちすげえなって。彼らを信じて、任せて野球をやったのは本当に良かったなと思えるので、みなさん泣いて帰ってください」と晴れやかに破顔。最後は深くお辞儀をして、会場を去った。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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