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MLB

怠慢走塁や内紛でまさかの地区最下位に低迷...「MLBの出木杉くん」カーディナルスに一体何が起きているのか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.06.14

4年続けてプレーオフに出場しているカーディナルスだが、今季はまさかの最下位に低迷している。(C)Getty Images

4年続けてプレーオフに出場しているカーディナルスだが、今季はまさかの最下位に低迷している。(C)Getty Images

 学業優秀で運動神経抜群、それでいて顔も性格も文句なし。『ドラえもん』に登場する出木杉くんは、どこを切り取ってもケチのつけようがない。

 そして、MLBで最も出木杉くんに近い優等生チームといえば、カーディナルスをおいて他にないだろう。

 2000年から昨季までの23年間でプレーオフ出場は13度、リーグ優勝4度、ワールドチャンピオン2度と輝かしい実績を誇る一方、負け越しはたった1度しかない。

 大型補強に頼ることなく、「カーディナル・ウェイ」と呼ばれる独自の選手育成法で、毎年のようにファーム組織から優れた選手をファーム組織から送り出す。ファンも献身的かつ礼儀正しく、フィラディルフィアやボストンのようにオーバーヒートすることもない。
 他の人気・名門球団を見渡してみても、ヤンキースはどうしても“悪の帝国”の印象が強いし、レッドソックスはいい時と悪い時の差が激しすぎる。アストロズは例のサイン盗み事件で永遠に消えない汚名を着ることになった。ドジャースは限りなく優等生に近いが、1988年から30年以上も世界一から遠ざかっていたのと、ヤンキースと同じ金満球団という印象も強い。カーディナルスほどマイナス要素が少ないチームは他にないのだ。

 そんな優等生が、今季は意外なほどに苦しんでいる。6月13日終了時点で27勝41敗と14の借金を抱え、ナ・リーグ中地区最下位に低迷。勝率.397はナ・リーグ全体を見渡しても最も低い。

 ただ負けが込んでいるだけではない。今季のカーディナルスは優等生のイメージを覆すような不祥事が続いているのだ。

 最初の事件は開幕直後のブレーブス戦で起きた。3点を追う7回裏、走者一、二塁の場面でブレンダン・ドノバンがライト前安打を放ち、二塁走者のタイラー・オニールがホーム生還を狙ったが憤死。この時、オニールが全力疾走を怠ったとして、オリバー・マーモル監督が報道陣の前で「許されない」とこき下ろし、翌日の試合で先発メンバーから外したのだ。
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