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プロ野球

周東の爆走はチームの得点をどれだけ増やすのか?最先端指標でスピードスターたちの走塁能力を測定!<SLUGGER>

DELTA

2023.06.15

周東の足が速いことは一般的にも知られているが、他の選手と比べてどれくらい速いのかが最先端指標によって明らかになる。写真:THE DIGEST写真部

周東の足が速いことは一般的にも知られているが、他の選手と比べてどれくらい速いのかが最先端指標によって明らかになる。写真:THE DIGEST写真部

 野球は数多くのプレーが数値化されるデータにあふれたスポーツである。打撃や投球だけでなく、近年は守備についても数多くのデータが見られるようになったが、走塁のデータは他のプレーに比べて少ない。一般的にポピュラーなのは盗塁だが、MLBのトラッキングシステム『スタットキャスト』では、一塁までの到達タイム以外にも1秒間に何フィートで走ったか(スプリント・スピード)など、さまざまな走塁データが登場している。今回はそういったさまざまな走塁データを紹介していこう。

 まず、はじめに紹介したいのが、UBR(Ultimate Base Running)だ。UBRは盗塁以外の場面における走塁貢献度のこと。「盗塁以外の場面における走塁」といっても分かりづらいかもしれない。例えば、打者が単打を打った時に、二塁走者として本塁まで生還できたかなどが評価対象となる。現時点でのパ・リーグのトップ5を並べてみると以下のようになる。

▼2023年パ・リーグUBRランキング
1位 周東佑京(ソフトバンク) 3.0
2位 小深田大翔(楽天) 2.0
3位 柳町達(ソフトバンク) 1.6
4位 岡大海(ロッテ) 1.6
5位 茶野篤政(オリックス) 1.5
 
 トップの周東を例に、先ほど紹介した「走者二塁からの単打による生還」について見ていこう。周東は今季、二塁走者としてこの場面に6度遭遇している。今季のパ・リーグ全体では、この場面での生還成功率は55.1%だが、今季の周東は6度のうち5度生還に成功している。

 また、「単打で一塁から三塁まで進塁」については、周東は2度の機会で両方とも成功(平均成功率は28.0%)。「犠牲フライでの本塁生還」も、同じく2度中2度成功(平均成功率78.2%)。「二塁打で一塁から本塁生還」では、3度中2度成功(平均成功率39.7%)。周東は、あらゆる場面で平均よりも多く先の塁を陥れることに成功しているのだ。

 これらの生還成功率について、アウトカウントなども含めてより厳密な計算を行うことで、UBRは算出される。その結果、周東は、平均的な走者に比べて盗塁以外の走塁で3点もチームの得点を増やしたと評価されている。
 
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