大谷翔平(エンジェルス)の相棒にして、MVP3度と輝かしい実績を誇るマイク・トラウト。間違いなく2010年代のMLB最強プレーヤーであり、すでに殿堂入りを確実なものとしている。
だが、そのトラウトが今季は苦しんでいる。
6月13日(現地)を終えた時点で、打率.255、14本塁打、37打点でOPS(出塁率+長打率)は.831。メジャー2年目以降、12年連続して.900以上を記録してきた男にとっては"大不振"と言っていい。
特に気になるのは速球への対応力低下だ。元々、トラウトは典型的なローボール・ヒッターで、低めのボールをアッパースウィングで軽々とスタンドまで運ぶ姿がトレードマークでもあった。しかし、最近は高めの速球に空を切る場面が目立っている。相手投手もそれを見越して、トラウトには徹底した速球攻めを仕掛けるようになってきた。
典型的だったのが6月10日のマリナーズ戦だった。この日がメジャー2先発目、しかも初登板では2回6失点と炎上していたマリナーズ先発のブライアン・ウーに対して3打席連続三振。しかも、決め球はいずれも高めの4シームだった。 『スポーツ・イラストレイテッド』のトム・バードゥッチによると今季、トラウトに対しては投球全体の実に63.9%が速球系(シンカーも含む)で、これはMLBで最も高い数字だという。2~5位の面々を見ると、マイルズ・ストローやスティーブン・クワン(ともにガーディアンズ)など非力な打者ばかり。トラウトのようなスラッガーが、これほど極端に速球攻めに遭うのは珍しい。
事実、ここ数年の対速球系、とりわけ4シームの対応力低下はデータでもしっかり裏付けられている。
2021 打率.419 長打率.744 空振り/スウィング率21.7%
2022 打率.265 長打率.560 空振り/スウィング率31.0%
2023 打率.221 長打率.411 空振り/スウィング率28.5%
本人いわく、前足の着地のタイミングが打撃のカギで、現在はそのタイミングに微妙に狂いが生じているようだ。とはいえ、ここ数年の数値の推移を見る限り、一過性の問題とは考えにくい。
若くしてメジャーデビューを果たした選手が、長年にわたる勤続疲労の影響もあり、30代前半でピークを過ぎてしまうケースは決して珍しくない。あのケン・グリフィーJr.もそうだった。
トラウトがもう下り坂に差しかかっている、と断言するのはまだ早計だろう。ただ、彼も8月で32歳。このまま速球に苦戦する状態が今後も続けば、"限界論"が取り沙汰されることになりそうだ。
構成●SLUGGER編集部
だが、そのトラウトが今季は苦しんでいる。
6月13日(現地)を終えた時点で、打率.255、14本塁打、37打点でOPS(出塁率+長打率)は.831。メジャー2年目以降、12年連続して.900以上を記録してきた男にとっては"大不振"と言っていい。
特に気になるのは速球への対応力低下だ。元々、トラウトは典型的なローボール・ヒッターで、低めのボールをアッパースウィングで軽々とスタンドまで運ぶ姿がトレードマークでもあった。しかし、最近は高めの速球に空を切る場面が目立っている。相手投手もそれを見越して、トラウトには徹底した速球攻めを仕掛けるようになってきた。
典型的だったのが6月10日のマリナーズ戦だった。この日がメジャー2先発目、しかも初登板では2回6失点と炎上していたマリナーズ先発のブライアン・ウーに対して3打席連続三振。しかも、決め球はいずれも高めの4シームだった。 『スポーツ・イラストレイテッド』のトム・バードゥッチによると今季、トラウトに対しては投球全体の実に63.9%が速球系(シンカーも含む)で、これはMLBで最も高い数字だという。2~5位の面々を見ると、マイルズ・ストローやスティーブン・クワン(ともにガーディアンズ)など非力な打者ばかり。トラウトのようなスラッガーが、これほど極端に速球攻めに遭うのは珍しい。
事実、ここ数年の対速球系、とりわけ4シームの対応力低下はデータでもしっかり裏付けられている。
2021 打率.419 長打率.744 空振り/スウィング率21.7%
2022 打率.265 長打率.560 空振り/スウィング率31.0%
2023 打率.221 長打率.411 空振り/スウィング率28.5%
本人いわく、前足の着地のタイミングが打撃のカギで、現在はそのタイミングに微妙に狂いが生じているようだ。とはいえ、ここ数年の数値の推移を見る限り、一過性の問題とは考えにくい。
若くしてメジャーデビューを果たした選手が、長年にわたる勤続疲労の影響もあり、30代前半でピークを過ぎてしまうケースは決して珍しくない。あのケン・グリフィーJr.もそうだった。
トラウトがもう下り坂に差しかかっている、と断言するのはまだ早計だろう。ただ、彼も8月で32歳。このまま速球に苦戦する状態が今後も続けば、"限界論"が取り沙汰されることになりそうだ。
構成●SLUGGER編集部
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