プロ野球

【DeNA】期待感MAXに溢れたハマスタの6.19最終決戦! 惜敗も事実上“交流戦V”の決着に首脳陣の想いは?

萩原孝弘

2023.06.21

DeNAは交流戦最終戦で敗れたものの、得失点率差により優勝が決定的となり翌日に優勝決定。しかし首脳陣(左/三浦監督、右/石井チーフ打撃コーチ)には複雑な思いも。写真:萩原孝弘

「負けたのは悔しいですけれども、大きな財産になったと思います」
 三浦監督が試合後に発したこの言葉に、2023年ベイスターズが繰り広げた交流戦での戦いぶりが凝縮されていた。

 6月11日の時点で8勝5敗。巨人とともに交流戦首位に立っていたベイスターズ。雌雄を決する横浜スタジアムでの6連戦前、指揮官は「この1週間、優勝を意識してやっていこう」と号令をかけた。その言葉でよりチームは結束し、エース・今永昇太の好投に、トレバー・バウアーの中4日完投、牧秀悟や宮﨑敏郎らの活躍で"令和の怪物"佐々木朗希を完全攻略するなど、チーム一丸となって勝利を積み重ねた。
 
 そして迎えた「6.19」の戦い。勝利か引き分けで球団史上初の交流戦Vが決まる大事な日本ハムとのゲームは、延長にまでもつれ込んだ末、10回に力尽きた。しかし1点差での敗戦となったため、得失点率差で他チームを上回っているDeNAの三浦政権初となるタイトル奪取が、この時点で決定的となった。

 この日は15日のノーゲームの振替試合のため、チケット発売期間も短かったが、ベイスターズの交流戦優勝をライブで見ようとするファンが、横浜スタジアムを埋め尽くした。

 期待感がMAXに溢れたハマスタで、最高の結果をもたらすことはできなかった。だが、他力本願ながらも栄冠は手に入れた。

 三浦監督は「いつもと違った空気でスタートしましたけど、その中で選手は最後の最後まで全員で戦ってくれました。選手たちも、チームとしても、自信にすればいいと思います。交流戦18試合を戦った中で、先週の火曜日、戦う前にこの1週間意識してやろうと、全員が意識した中で戦えた」と手応えを口にした。同時に「この負けを負けで終わらせず、この雰囲気の中で戦ったということを、今後に活かしていかないといけないと思います」と悔しさも滲ませた。
 
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石井コーチも「勝ち切りたかった」