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17年WBCでMVPに輝いた熱血投手か、それともベネズエラ出身の元19勝左腕か?MLB公式がリストアップするエンジェルスの途中補強候補<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.06.21

ストローマン(左)、ロドリゲス(右)とも今季ここまで絶好調。エンジェルス移籍が実現すれば、プレーオフ進出へ向け大きな追い風になりそうだ。(C)Getty Images

 6月に入って11勝6敗と上昇気流に乗り、地区首位レンジャーズの背中も見えてきたエンジェルス。このままいけば、2014年以来9年ぶりのプレーオフ進出へ向け、夏のトレード戦線では「売り手」ではなく「買い手」に回ることになりそうだ。

 そんな中、具体的な補強候補が浮上してきた。6月20日(現地)にMLB.comのマーク・ファインサンド記者が「10人のトレード候補と移籍先候補」と題して発表した記事の中で、2人の先発投手のトレード先としてエンジェルスを挙げているのだ。

 一人はエデュアルド・ロドリゲス(タイガース)。レッドソックス時代の19年に19勝を挙げた実績を持つベネズエラ左腕だ。5年7700万ドルでタイガースに加入した昨季は家庭の問題などもあって期待を裏切ったものの、今季はここまで11先発で防御率2.13と目覚ましい快投を披露。現在は左手人差し指の故障で離脱中だが、すでに復帰間近で移籍への障壁はない。

 前述したように、タイガースとは5年契約を結んでいるものの、今季終了後にオプトアウトしてFAになる権利を持っていることから、デッドライン・トレードでの放出は確実とみられている。
 もう一人はマーカス・ストローマン(カブス)だ。これまでも安定した成績を残してきたシンカーボーラーは、今季は特に好調。5月29日には絶好調レイズを相手に1安打完封を演じ、防御率は現在ナ・リーグベストの2.45。32歳にして自己最高のシーズンを送っている。このストローマンも、ロドリゲスと同様に今季終了後にオプトアウトの権利を持っているが、カブスとの契約延長交渉は不調のようで、こちらもトレードの噂が絶えない。

 もしエンジェルスが本当にこの2人のいずれかをトレード戦線で狙うとしたら、"本命"はストローマンだろう。実績、安定感ともロドリゲスを上回り、17年のWBCではMVPに輝いたこともある。向こうっ気の強さも魅力で、大人しい選手が多い印象のエンジェルスでひときわ存在感を発揮するのではないだろうか。

 ファインサンド記者は、ロドリゲスの移籍候補としてエンジェルス以外にダイヤモンドバックスとメッツ、ストローマンについてはドジャース、パドレスも挙げている。

 夏のトレード市場での先発投手争奪戦は例年、熾烈を極める。久々の大舞台に立つために、エンジェルスは"もう一つの戦い"にも勝利しなければならない。

構成●SLUGGER編集部
 
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