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「素晴らしいこと」「王者の振るまい」世界一ナショナルズの大英断に称賛の声!優勝賞金30億円をマイナー選手にも支給へ

スラッガー編集部

2019.12.10

ナショナルズは優勝賞金30億円をマイナー組織にまで配分することを決定した。(C)Getty Images

 現地9日、ナショナルズは2つの大きな決断を下した。

 一つは、球団初の世界一をもたらした大エース、スティーブン・ストラスバーグと7年2億4500万ドルで再契約に成功したこと。もう一つが、優勝賞金2900万ドル(約30億円)を球団組織全体で"山分け"すること決めたことだ。前者はナショナルズファンを中心に歓喜の声が上がっているが、後者に関しては全野球ファンから「何て素晴らしいんだ」「王者の振るまい」として称賛の声が集まっている。

『USAトゥデイ』のボブ・ナインチンゲールによると、ナショナルズは世界一の優勝賞金をメジャーの選手、監督、スタッフなどで配分するだけでなく、マイナーリーグの全選手、コーチ、スカウトにまで支給することを決めたという。しかも、この決定は、ナショナルズの選手自らが進んで行ったということで、感動もひとしお、というわけだ。
 
 この一件で思い出すのは1年前の2018年、デビッド・ロバートソン(現フィリーズ)がした"振る舞い"だ。当時ヤンキースのセットアップとして活躍していたロバートソンは、レギュラーシーズンが終わる1週間前、ポストシーズンの賞金の配分方法を決めるミーティングにて、コーチやスタッフに手当を支払うべきではないと主張。他のチームメイトを扇動する形で投票の場を仕切り、結果、ヤンキースの裏方の一部には一銭もお金を支給されなかったという(この年のヤンキースの配分額は約3億円)。その年のオフFAになったロバートソンは再契約も噂されたが、フィリーズに2年2300万ドルで移籍。この一件もあって、一部では「ヤンキースのスタッフとやりたくなかったからでは?」ともささやかれていたほどだ。

 ともあれ、ロバートソン云々関係なく、メジャーのスタッフまで賞金が配分されることは過去にもあったが、マイナー組織の裏方にまで渡されるケースは今回が初めてのこと。2019年のナショナルズは、「実力」だけでなく、「心の強さ・優しさ」も世界一にふさわしいチームだったのかもしれない。

構成●スラッガー編集部