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不振でマイナー降格→調整登板で11失点炎上...開幕投手も務めたブルージェイズの若手エースに復活の兆し見えず<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.06.28

昨年はサイ・ヤング賞投票3位と大活躍したマノーアの突然の不振にファンも困惑している。(C)Getty Images

 トロントのファンも、ブルージェイズの球団首脳も困惑とショックに打ちひしがれているだろう。

 6月27日(現地)、不振のため6日からマイナーに降格していたアレック・マノーアが初の調整登板に臨んだが、2.2回を投げて10安打(2被本塁打)、11失点と大炎上してしまった。

 しかも、舞台となったフロリダ・コンプレックス・リーグは1Aよりさらに下のルーキーリーグで、18~19歳の選手たちが大半。調整段階で結果がすべてではないとはいえ、今季の開幕投手を務めた若手エースがそんな選手たちを相手に滅多打ちされたのだから、尋常ならざる事態と言っていいだろう。

 昨季までのマノーアのキャリアは順風満帆そのものだった。2019年ドラフト全体11位指名でプロ入りすると、わずか2年後にメジャーデビュー。いきなり9勝2敗、防御率3.22の好成績を残した。そして昨季は2年目のジンクスを跳ね返し、いずれもリーグ3位の16勝、防御率2.24。サイ・ヤング賞投票でも3位に入り、押しも押されぬブルージェイズのエースに台頭した。
 だが、198cm・129kgの巨体と明るい性格でファン人気も高い男の運命は今季、一気に暗転する。開幕戦で3.1回9安打5失点と打ち込まれたのを皮切りに精彩を欠く投球が続き、6月5日のアストロズ戦ではわずか1アウトしか取れずに7安打を浴びて6失点。これを受け、球団はマイナー降格を決断。しかも、3Aや2Aではなく、ルーキーリーグで時間をかけて再調整させる道を選んだ。

 突然の不振の最大の理由は制球難だ。9イニング平均の与四球数は昨季の2.33から6.52にまで悪化。初球ストライクを取れなくなったこと、自慢のスライダーに相手打者がアジャストし始めたことなど、原因はいくつか考えられるが、今回の再調整の最大のテーマが制球難の改善にあることはほぼ間違いない。

 おそらく本来のプランでは、この後1A、2A、3Aという形で調整登板を続け、順調ならオールスター後あたりでメジャー復帰という青写真だったはず。だが、今回の炎上で復帰プランに大幅に狂いが生じてしまうかもしれない。

 チームは現在、ワイルドカード3位につけているが、すぐ後ろにアストロズとエンジェルスが迫っている。若きエースに、一日も早く戻ってきてほしい状況なのだが……。

構成●SLUGGER編集部
 
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