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MLB

【侍メジャーリーガー前半戦通信簿:野手】大谷、吉田は文句なしの最高評価。脇腹故障で出遅れた鈴木は果たして...<SLUGGER>

藤原彬

2023.07.11

大谷(中央)は言わずもがな、吉田(左)も打率リーグ4位の活躍。後半戦は鈴木(右)の奮起にも期待したい。(C)Getty Images

大谷(中央)は言わずもがな、吉田(左)も打率リーグ4位の活躍。後半戦は鈴木(右)の奮起にも期待したい。(C)Getty Images

■大谷翔平(エンジェルス)
【通信簿:よくできました】
 またも記録と記憶に残しながら、伝説的な活躍を再現している。得意の6月に15本塁打と大爆発して前半戦32本とOPS1.051はリーグトップ。7月1日に放った自己最長の飛距離150m弾や「サイクル未遂」6回などインパクトも抜群だ。MVPを獲得した2021年を思わせる凄まじい打棒を発揮しながら、昨季から意識していたと語る「打率3割」を維持しているのだから、打者として一層の進化を感じさせる。

 すでに昨季と同じ11盗塁を記録するなど俊足も発揮。前半戦で5三塁打&30本塁打をクリアした選手は他に1954年のウィリー・メイズだけで、名物記者のジョン・ヘイマン(『ニューヨーク・ポスト』紙)は「MVPレースはオールスター前に終わった」とすでに断言。打撃三冠やア・リーグのシーズン本塁打新記録樹立も夢物語ではない。

■吉田正尚(レッドソックス)
【通信簿:よくできました】
 出だしこそ苦戦しながらもメジャーへの順応は早く、広角へコンスタントにヒットを放ち続けてリーグ4位の打率.316で首位打者争いに参戦している。出塁率.382も同じくリーグ4位の高水準で、前半戦最後の試合では10本目の本塁打を放ち、7試合連続マルチ安打を記録と数字を落とす気配がない。

 失敗なしで6盗塁を成功させている一方、前評判どおりに走塁と守備での貢献は限られている。そのため打撃貢献の割に総合指標fWARは1.5にとどまり、ア・リーグの新人でも7位に過ぎない。そうだとしても、前半戦の活躍が文句なしだったことは誰もが認めるところ。当初は高過ぎるとの意見が相次いだ5年9000万ドルの契約額は、シーズン終了を待たずに「泥棒レベル」(『ボストン・グローブ紙』)と言われている。
■鈴木誠也(カブス)
【通信簿:がんばりましょう】
 野手ではチーム最高の年俸1800万ドルを得ている点を考えれば、
71試合で打率.259、7本塁打という数字は物足りないと言わざるを得ない。新シーズンに体重10kg増で臨み、打球速度やハードヒット率はMLB上位15%に入る水準まで伸びているが、肝心の長打を放つペースは昨季とほぼ横ばい。脇腹の故障から復帰した5月は打率.319で5本塁打と好調だったものの、6月は打率1割台でノーアーチと不振にも陥った。

 ウェイトアップの副作用か、1盗塁に対して失敗5と、トータルパッケージの触れ込みで海を渡ったことを思えば走塁面での貢献も合格点とは言えない。貢献の手段が狭まったままでは、WBC辞退の無念も晴らせない。前半戦最後は6試合連続安打でフィニッシュ。後半戦の奮起に期待したい。

文●藤原彬

 
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