現地7月11日、MLBオールスターゲームに大谷翔平（ロサンゼルス・エンジェルス）が「２番・指名打者」でスタメン出場。3年連続3度目の選出となった大谷は三振、四球に終わりノーヒット。狙っていた球宴初ホームランは次回以降に持ち越しとなった。

　初回、二刀流スターは思いがけない光景を目の当たりにした。4万7159人の観衆が大声で「Come to Seattle！（シアトルに来てくれ）」の大合唱で迎え入れた。球場に響き渡る大きなチャントを聞いて打席に立った大谷は、通訳の水原一平氏を通じて「あんなことは経験したことがない」と異例な雰囲気だったと振り返った。
　
　米紙『USA TODAY』のゲイブ・ラック記者は「今回、マリナーズはショウヘイ・オオタニがどれほど欲しいかを本人に伝えるチャンスを得た。彼は、それを避けることは不可能だった」とマリナーズファンの猛アピールをリポート。加えて、「2018年シーズン前にオオタニがメジャーリーグにやってきたとき、マリナーズは最後まで彼の獲得に動いていた」と過去大谷との接点に触れ、シーズン終了後フリーエージェント（FA）になる大谷獲得に向けたマリナーズの動向を示唆した。
  　偉才に送られたチャントには、ア・リーグの同僚も驚きを隠せなかった。地元のスタープレーヤーであるフリオ・ロドリゲスは「シアトルの街全体が力を合わせれば、とても素晴らしいことができると証明した瞬間だった」と感嘆。ベンチで大谷に何を質問したのかと問われた際は「秘密だよ」と微笑みながら言うと、「彼の人生のすべてを知ることはできないからね」とだけ答えた。

　ラック記者は観衆の大シアトルコールについて、「32本塁打でメジャーをリードし、100イニングで132人の打者から三振を奪った男への渇望は、火曜日のT-モバイルパークを見れば明らかだ」と大谷のスター性を高く評価するとともに、「球史に残る偉大な二刀流プレーヤー（もしかしたら、史上最高の選手かもしれないが）を求めて、全米を巻き込むリクルートがまもなく行なわれるだろう。所属するエンジェルスが何をしようとも、ほぼ間違いなく優先される」と断言。大谷の去就を巡る移籍話が、これから加速すると推測した。

　１日限りの祭典を終え、現地14日からはいよいよシーズン後半戦がスタートする。米球界の歴史に名を刻み続ける二刀流スター争奪戦は、ますます熱を帯びることになるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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