青天の霹靂と言える急転直下の決定である。オークランド・アスレティックスの藤浪晋太郎が現地7月19日、ア・リーグ東地区で首位争いを繰り広げる強豪ボルティモア・オリオールズへのトレード移籍が決定した。

　MLB公式サイトなど複数の米メディアによると、ポストシーズン（PS）進出に向け中継ぎ陣の強化を狙っていたオリオールズが、7月を2勝1敗1ホールド、防御率2.25の安定感あるピッチングを続けていた藤浪に白羽の矢を立てた。トレード期限の8月1日を前に、同球団は3Aに所属する左腕イーストン・ルーカスを放出してまで、160キロを超える日本人右腕の獲得にこぎつけた。
  　藤浪の電撃トレードは、現地メディアも少なからず驚きを持って伝えられている。アスレティックス公式ツイッターは藤浪のトレード移籍決定後、「Thank You FUJI（ありがとう、フジ）」と感謝の言葉を綴り、「ボルティモアでの活躍を祈っている！」と新天地での活躍にエールを送っている。また、迎えるオリオールズもツイッターに「バードランドへようこそ、フジ！」と右腕を大歓迎している。

　また、米識者の見解のなかには興味深いものもある。3月のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）でポッドキャスト番組『WBC Central』のホストを務めたショーン・スプラドリング記者は「シンタロウ・フジナミがオリオールズへ移籍。すごい！」と今季27勝71敗の最弱アスレティックスから、強豪球団への栄転に興奮を隠しきれない。加えて、「過去30日間で、フジナミは防御率2.77、WHIP0.85。彼が最近の調子を維持すれば、ボルティモアにとって9月から10月にかけて大きな一手になるかもしれない」と熾烈なポストシーズン争いを繰り広げるチームの切り札的な存在に期待を寄せている。

　シーズン序盤は先発失格の烙印を押され、救援へ配置転換されたが、最近では11試合連続無四球など、課題だった制球も安定してきた藤浪。新天地ではプレーオフに出場できる確率も一気に高まったことで、その剛腕にかかる期待は計り知れない。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】100マイル超の速球で三振を奪う藤浪晋太郎

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