プロ野球

識者が「前半戦ベストナイン」を選出。 巨人・坂本勇人は外せない! 大竹耕太郎、村上頌樹、今永昇太…最強の投手は誰だ?【セ・リーグ編】

氏原英明

2023.07.21

圧倒的な存在感を放つ坂本。現在は肉離れで離脱中だ。写真:THE DIGEST写真部

 プロ野球はオールスターブレイクに入った。

 今季はWBC明けとあって、前半戦は開幕から球場に多くの観客が集まるなど、例年以上の盛り上がりを見せている。

 選手たちのパフォーマンスもファンの期待に応えるものばかりで球場で試合を見るのが楽しくて仕方なかった。そんな前半戦を総括すべく、ベストナインを選出した。

セ・リーグ
投手 村上頌樹(阪神)
捕手 坂倉将吾(広島)
一塁 大山悠輔(阪神)
二塁 牧 秀悟(DeNA)
三塁 宮崎敏郎(DeNA)
遊撃 坂本勇人(巨人)
外野 細川成也(中日)
   西川龍馬(広島)
   近本光司(阪神)

――◆――◆――

 投手は従来の考え方でいけば、勝利数トップの大竹耕太郎(阪神)の選出で間違いなかったが、昨今の投手評価は如実に変化してきており、様々な要素から検討してみた。

 勝敗、防御率は大竹だが、WHIP、K/BBでは割れた。WHIPは1イニングあたりに走者を出した数(安打と四球)のことで、投手の責任能力。村上頌樹(阪神)が1位となり、K/BBでは今永昇太(DeNA)とそれぞれが異なる数値でトップに君臨した。

 その中でも、やはり、村上は初登板で、7回を完全に抑えるなど眩い輝きを放ち、開幕からの連続イニング無失点記録「31」をマークするなど無双した時期があった。その印象で村上を選んだ。
 
 捕手は難航。中村悠平(ヤクルト)がトップパフォーマンスではなく、坂本誠志郎(阪神)も玄人好みの捕手として選出したかったが、捕手併用のチーム事情で選びづらかった。

 その中で、捕手再コンバートのシーズンで、高い打率とOPSをマークした坂倉将吾(広島)、WBCでは控えに甘んじながら安定的な成績を残した大城卓三(巨人)を比較。11本塁打の大城の魅力も捨てがたかったが、やはり、トータルの打撃成績とチームの順位から貢献度で坂倉を評価した。

 一塁手は大山悠輔(阪神)と中田翔(巨人)が活躍を見せた。特に、中田は離脱の期間がありながらの好成績とチームでの存在感、若手の秋広優人(巨人)のブレイクを後押しした存在として欠かせなかった。

 しかし、リーグ4位のOPSを誇る大山の成績は捨てがたい。阪神ファンからは「阪神電車で帰れ」などとたびたび罵倒も受けるが、これだけの数値を残している事実を忘れないでほしい。
 
NEXT
PAGE
ベストナインが不公平と思えるのが三塁手だ