侍ジャパン

【WBC侍戦士前半戦通信簿:投手編】佐々木、今永が快投を続けた一方、ダルビッシュや大勢は不本意な成績。"投手・大谷"の評価は?<SLUGGER>

出野哲也

2023.07.21

左からダルビッシュ、大谷、佐々木。彼らはどのような前半戦を送ったのだろうか?写真:THE DIGEST写真部、Getty Images

 3月に行われた第5回WBCで見事頂点に立ち、日本中を熱狂させた侍ジャパン。栄冠をつかんだ男たちは、所属チームに戻ってからはどのような働きを見せているのか。4段階の通信簿形式(「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう)で、侍たちのシーズン前半戦を振り返ってみよう。今回は投手編だ。

▼ダルビッシュ有(パドレス)
評価:可もなく不可もなく

WBCでは、投球そのものはいまひとつだったとはいえ、チーム最年長のまとめ役としての貢献が大きかった。パドレスではメジャー通算100勝こそ達成したものの、防御率4点台半ばでは6年1億800万ドルの契約に応えているとは言い難い。

▼戸郷翔征(巨人)
評価:よくできました

WBCでは第2先発を任され、決勝のアメリカ戦でも2回無失点。本来の役割に戻ったレギュラーシーズンは、巨人の新エースとしてハーラーダービーではトップタイの8勝。上位球団との対戦で好投している点も価値が高い。

▼松井裕樹(楽天)
評価:よくできました

使用球への対応に苦しみ、WBCでは予定されていたクローザーの役割を果たせなかった。だが開幕後はリーグ1位の23セーブ、防御率も0点台と通常運転。四球を出すことがほとんどなく、K/BB8.80は自己最高ペースだ。
▼佐々木朗希(ロッテ)
評価:よくできました

WBC準決勝で3失点し"戦犯"となりかけるも、資質は十分に披露した。前半戦終了時で防御率1.48と121奪三振の2部門でリーグ1位。79回を投げ被本塁打はわずか1本、12先発でQSでなかったのは一度だけと完璧に近い。

▼大勢(巨人)
評価:可もなく不可もなく

プロ2年目ながら、松井の不調でWBCでも抑え役を任され、チーム最多の4試合に登板。開幕後もしばらくは良かったが、5月に入ると失点する場面が増え、右上肢コンディション不良のため6月下旬から戦列を離れている。

▼大谷翔平(エンジェルス)
評価:まずまずです

言わずと知れた大会MVP。WBCでは決勝での僚友マイク・トラウトとの対決で球史に残る名場面を演出し、開幕後も魔球スイーパーを武器にリーグ3位の139三振を奪った。ただし、被本塁打や与四球は昨季よりも多いペースで、やや安定感を欠いている。

▼伊藤大海(日本ハム)
評価:まずまずです

リリーフで起用されたWBCでは、準々決勝イタリア戦で大谷に次ぐ2番手で登板し、火消しに成功。開幕後は3連敗スタートの後は5勝2敗。8試合連続で7イニング以上投げるなど、先発としての役割は十分果たしている。

▼山本由伸(オリックス)
評価:よくできました

WBCでの12奪三振は大谷を上回りチーム最多。開幕後はリーグ1位の9勝、防御率1.74も2位、93.1回を投げ本塁打は2本打たれただけ。K/BBも自己ベストの8.58とさらに安定感を増し、3年連続MVPの可能性もある。
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