紅林弘太郎にとって、初のオールスター・ゲームは、1試合目が1打数無安打、2試合目はフル出場して4打数3安打の大活躍。賞の獲得こそ逃したが、本人は「いろんな選手から話を聞けて、すごい方たちと野球できて、いい経験になりました」と目を輝かせた。特に同じショートを守る西武の源田壮亮には、守備の際の足の使い方などでアドバイスをもらったという。2試合目の最終回には三塁に移って源田と三遊間を組み、憧れの選手の動きを間近で見られたことで、感じるものがあったようだ。
今季の紅林は6月に入ってヒットを量産。月間打率.368をマークし、この活躍が球宴選出につながった。7月も「1日1本」をテーマに貴重な場面での本塁打も目立ち、連続試合安打を18試合まで延ばした。
本人はかなりプレッシャーを感じていたようで、止まった翌日に声をかけると、安堵の笑みを浮かべていた。その後、再び打ち出して、前半戦終盤からは3番を務めている。好調の理由について紅林は「速い球に対しても自分のスウィングができているし、緩い球も捉えられているので。昨年も一昨年もあまり打ってないけど、あんまり難しく考えすぎず、初球からガンガン振っていこうという意識でずっとやっているので、それが良いのかなと思う」と自己分析していた。
練習中のティー打撃で空振りをする場面が見られるが「目のトレーニングで、目をいい意味でだますというか、ちゃんとボールの下を振って、普通に振ったら打球が上がるように」という意識とのこと。「上げにいこうとすると、身体でこう上げに行っちゃうので、普通に振ったらボールが上がるという感じになるようにやっています」と話す。
また、「積み重ねてやってきたものがだんだんと結果になっているので続けていきたい」と話した上で「1日1本出るのと出ないとでは全然違うし、続けることが大事だと思うので。『意識していない』と言っているけど、正直めちゃくちゃ意識しているので」正直な胸の内も明かしてくれた。
前半戦終盤から紅林の前の2番を打つ宜保翔がいい働きを見せているが「刺激というか、年齢も近いし、ポジションも同じなので。打線としても、宜保さんが2番で粘って塁に出ることで、3番はランナーを返す仕事だと思うし、すごい見習いたいなと思う」と普段はお互いに「嫌い」と笑いながら話す仲の1年上の先輩を立てる。
今年は二軍スタートだったこともあり、規定打席にはまだ達していない。このことについて紅林は「そこは試合に出ていけば、勝手についてくると思うので、毎打席頑張りたい」と意欲。状態は一軍生活の4年間で今が最高と言ってもいいだろう。これは映像を見ても分かることだが、バッティングフォームから力感がなくなり、足を上げても腰が浮かなくなったことにより、スムースにボールにアジャストできるようになった。
紅林の魅力は、あの大きなホームランと大柄ながら華麗な動きの遊撃守備。本人は京セラドーム大阪の5階席に叩き込みたいという野望も持っている。後半戦はさらなる覚醒に期待したい。
取材・文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させたことも。
今季の紅林は6月に入ってヒットを量産。月間打率.368をマークし、この活躍が球宴選出につながった。7月も「1日1本」をテーマに貴重な場面での本塁打も目立ち、連続試合安打を18試合まで延ばした。
本人はかなりプレッシャーを感じていたようで、止まった翌日に声をかけると、安堵の笑みを浮かべていた。その後、再び打ち出して、前半戦終盤からは3番を務めている。好調の理由について紅林は「速い球に対しても自分のスウィングができているし、緩い球も捉えられているので。昨年も一昨年もあまり打ってないけど、あんまり難しく考えすぎず、初球からガンガン振っていこうという意識でずっとやっているので、それが良いのかなと思う」と自己分析していた。
練習中のティー打撃で空振りをする場面が見られるが「目のトレーニングで、目をいい意味でだますというか、ちゃんとボールの下を振って、普通に振ったら打球が上がるように」という意識とのこと。「上げにいこうとすると、身体でこう上げに行っちゃうので、普通に振ったらボールが上がるという感じになるようにやっています」と話す。
また、「積み重ねてやってきたものがだんだんと結果になっているので続けていきたい」と話した上で「1日1本出るのと出ないとでは全然違うし、続けることが大事だと思うので。『意識していない』と言っているけど、正直めちゃくちゃ意識しているので」正直な胸の内も明かしてくれた。
前半戦終盤から紅林の前の2番を打つ宜保翔がいい働きを見せているが「刺激というか、年齢も近いし、ポジションも同じなので。打線としても、宜保さんが2番で粘って塁に出ることで、3番はランナーを返す仕事だと思うし、すごい見習いたいなと思う」と普段はお互いに「嫌い」と笑いながら話す仲の1年上の先輩を立てる。
今年は二軍スタートだったこともあり、規定打席にはまだ達していない。このことについて紅林は「そこは試合に出ていけば、勝手についてくると思うので、毎打席頑張りたい」と意欲。状態は一軍生活の4年間で今が最高と言ってもいいだろう。これは映像を見ても分かることだが、バッティングフォームから力感がなくなり、足を上げても腰が浮かなくなったことにより、スムースにボールにアジャストできるようになった。
紅林の魅力は、あの大きなホームランと大柄ながら華麗な動きの遊撃守備。本人は京セラドーム大阪の5階席に叩き込みたいという野望も持っている。後半戦はさらなる覚醒に期待したい。
取材・文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させたことも。
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