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高校野球

【夏の甲子園】アマ野球ライターが厳選する注目株は? 元中日選手を父に持つ左腕、打率.762の主砲ら一挙紹介

西尾典文

2023.08.04

今年の夏の甲子園、注目選手には東海大熊本星翔の百崎蒼生(左)、八戸学院光星の洗平比呂(右)らがいる。写真:西尾典文

今年の夏の甲子園、注目選手には東海大熊本星翔の百崎蒼生(左)、八戸学院光星の洗平比呂(右)らがいる。写真:西尾典文

 8月6日に開幕する夏の甲子園。多くの高校生ドラフト候補にとっては最後にして最大のアピールの場となるが、地方大会でのプレーぶりから、注目選手を紹介したいと思う。投手、野手それぞれ4人をピックアップした。

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■注目の投手

●洗平比呂(八戸学院光星2年・投手)
 中日でプレーした洗平竜也氏を父に持つサウスポー。昨年夏の甲子園でも1年生ながら先発を任されて好投したが、一冬を超えて大きくスケールアップを果たした。肩の可動域が広く、豪快な腕の振りから繰り出すストレートは140キロ台中盤をマーク。最近の投手では珍しい落差の大きいカーブも操る。青森大会では決勝こそ脚が攣って3回で降板となったが、準決勝では県内で最大のライバルである青森山田を完封するなど4試合で防御率0.46という見事な成績を残した。昨年果たせなかった甲子園での勝利に期待だ。

●湯田統真(仙台育英3年・投手)
 同学年の高橋煌稀、仁田陽翔も注目の好投手だが、この夏の宮城大会で最も結果を残したのはこの湯田だ。大一番となった準々決勝の東北戦では被安打5、12奪三振で完封。大会を通じても15回を投げて1失点、20奪三振、2四球と抜群の安定感でチームの優勝に大きく貢献した。ストレートは150キロに到達し、140キロ近いスピードで鋭く変化するスライダーも大きな武器だ。昨年と比べてコントロールも安定し、長いイニングでも安定して投げられるようになった。夏の甲子園連覇に向けてのキーマンの1人であることは間違いない。
 
●福田幸之介(履正社3年・投手)
 昨年秋までは目立った実績はなかったものの、選抜で145キロをマークして一躍注目を集めた本格派左腕。選抜では制球が少し不安定で、中盤はスピードも落ち、チームも初戦で敗れたものの、春から夏にかけて更なる成長を見せた。特筆すべきはやはり大阪大会決勝の大阪桐蔭戦で見せたピッチングだ。立ち上がりから終盤まで強気に内角を攻め続け、3安打完封でチームを甲子園に導いて見せたのだ。投げ合った世代ナンバーワンの呼び声高い前田悠伍と比べてもボールの勢いは上で、課題の制球力も向上した印象を受ける。甲子園での活躍次第では、一気に夏の主役となることも期待できるだろう。

●高尾響(広陵2年・投手)
 名門の広陵で1年夏からエースを任されている実戦派右腕。秋は少し調子を落としたものの、選抜でもチームの準決勝進出に大きく貢献した。この夏もエースとして準々決勝の如水館戦では13奪三振完封。決勝の広島商戦でも2失点完投と見事な投球を見せている。172cmと上背はないものの、ストレートは140キロ台中盤をマークし、コーナーを突く制球力も高い。走者を背負っても落ち着いて投げられ、落ち着いたマウンドさばきは2年生とは思えないものがある。チームの悲願とも言える夏の甲子園制覇に向けて、その右腕にかかる期待は大きい。
 
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