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「野球界でいま最も有能な投手の一人」だが... 菊池雄星、韓国人左腕の復帰でプレーオフは中継ぎへ? 地元メディアが予測

THE DIGEST編集部

2023.08.24

ワイルドカード争いでは4位に位置するブルージェイズ。果たして、プレーオフ進出で菊池の役割はどうなる? (C) Getty Images

 トロント・ブルージェイズの菊池雄星が現地8月22日、敵地でのボルティモア・オリオールズ戦に先発登板し、4回2/3を投げ被安打7、6奪三振、3失点の内容で勝敗はつかなかった。試合はブルージェイズが延長10回の末、6-3で勝利を飾っている。ブルージェイズはア・リーグ東地区3位で、ワイルドカード争いでは4位につけている。
 
 菊池は初回に1点を奪われ、2回を三者凡退で切って取ったものの、3、4回と得点圏に走者を許す苦しいピッチング。それでも粘りの投球で失点を許さなかったが、5回に連打を浴び無死一、二塁とすると、味方の悪送球などで1点を献上。2死まで漕ぎつけたが、この日初めての四球を与え一、二塁となったところで無念の降板に。あと1死で勝利投手の権利を得る場面だっただけに、ジョン・シュナイダー監督の"非情"とも言える采配に10勝目はお預けとなった。

 後半戦に入り、好調を維持してきた菊池は7月6日以来、自責1点以内に抑えていた。オリオールズ戦の3失点は、実に7試合ぶりの自責2点以上を許す結果となった。これほどまでに好投を続けている菊池なのだが、来るポストシーズンではスターターとしてではなく、ブルペン入りする可能性が高いのではないか、という予測もある。

 地元メディア『BLUEJAYS NATION』では、「オールスター後の菊池雄星の優位性が、ブルージェイズのプレーオフローテーションのプランを変える可能性はあるか?」と題した記事で、快進撃を見せる菊池の活躍とともに、プレーオフ進出時のブルージェイズ投手陣の動向について言及している。

 記事では、プレーオフでの先発投手として、ケビン・ゴーズマン、ホセ・ベリオス、クリス・バシットの3人は決定的で、「4番目のローテーションの座を巡る内部での議論はすでに始まっているだろう」と推測。そして、菊池がブルペンに戻り、8月に入り負傷者リスト(IL)から戦列復帰し、すでに2勝を挙げている韓国人左腕のリュ・ヒョンジンがローテーションに入るのが得策だとしている。菊池は昨季、中継ぎを経験しており、逆に復帰したばかりのリュ・ヒョンジンを先発から中継ぎに回すのはリスクがあり、「理想的なブルペン候補ではない」としている。

 しかし、オリオールズ戦では約1か月半ぶりの複数失点を喫したものの、菊池の好調ぶりがブルージェイズ投手陣の序列に一石を投じているのは間違いない。同メディアからは「オールスター休みから数週間、信じられないかもしれないが、彼は野球界で最も有能な投手の一人となった」とも称賛される32歳。22日の試合前まで後半戦の防御率は1.29とメジャー全体でもトップの成績を誇った。

 残りのレギュラーシーズン、さらなる活躍を見せ首脳陣にアピールをしていきたいところだ。

構成●THE DIGEST編集部
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