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MLB

「スプリッターは翔平から教わったんだ」37歳で自己最高の投球を続ける右腕が語る「開花の理由」と「日本での経験」<SLUGGER>

杉浦大介

2023.09.21

独立リーグも経験した苦労人マーティン。37歳にしてキャリア最高のシーズンを送っている。

独立リーグも経験した苦労人マーティン。37歳にしてキャリア最高のシーズンを送っている。

 2016、17年は北海道日本ハムに所属し、大谷翔平のチームメイトとして日本一に貢献したクリス・。マーティン。18年にメジャー復帰し、今年6月で37歳になった。今季はレッドソックスのセットアップとして、54試合で防御率1.07と完璧な投球を続けてきた。今季、これほどの安定感を発揮している要因はどこにあるのか。日本で学んだこと、得たものはどんな形で役立っているのか。9月13日、フェンウェイ・パークでマーティンにじっくり話を聞いた。

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――今季は自己最高の投球を続け、オールスター候補にすら名前が挙がりました。これほどの成功のカギはどこにあったのでしょう?

振り返ってみると、去年もいい投球ができていたんだ。昨季の早い段階で気付くことがあって、(カブスでの)防御率には現れなかったけど、奪三振は増えていた。実際に持ち球への手応えも良くなって、それもあってかシーズン中にドジャースからトレードの声がかかった。その後も微調整を続けながら好結果を出すことができた。それが今季にもつながっているというわけさ。ベースボールは思った通りにはならないゲームだから、今季もスタッツ自体は僕にとってそれほど重要ではない。ただ、チームの勝利に貢献したいと思って投げ続けてきただけだよ。

――昨季前半に気づいたこととは具体的には何だったのでしょう?

スライダーを投げるのを止めたんだ。カッター、4シーム、スプリッターをより重視するようになった。その変化がカギだった。

――今季に関しては、ケンリー・ジャンセンの前に投げるセットアップの役割にほぼ固定されたことも準備の面で大きかったのでしょうか?

どんな役割でも貢献できるように、と思ってきた。今季は8回の登板が多く、自分がいつ投げるか分かっていたのが助けになったのは確かだ。これまでは6~8回のどれかという感じだったからね。キャリアで積み上げてきたものが、ここに来て準備の面で役立っていると考えているよ。
――以前、「日本にはバットにボールを当てるのがうまい打者が多く、そこで投球したことが制球力向上に役立った」と話していました。それこそが日本で学んだ中で最も大きなことだったんでしょうか?

日本人選手たちはとにかく当てるのが上手だ。当時から僕はストライクを取るのは得意だったけど、質の高いボール球を投げることはできていなかった。日本ではストライクゾーンから外れた球をスウィングさせるのが大事。ストライクゾーンにだけ投げていたら、NPBの打者を三振に取るのは難しかったからね。ボール球の使い方を学んだことは今でも役立っているよ。

――あなたはメジャーから日本に行き、その後、再びメジャーに復帰しました。日本でプレーしたことは正しい選択だったと今でも考えていますか?

それは間違いない。日本に行ったおかげで、いろいろな意味でより向上してメジャーに戻ってくることができた。キャリアのあの時点で必要な経験だった。先ほど話したように、投手として改善したというだけでなく、自分自身について学ぶいい機会でもあった。日本では僕と妻だけで多くの時間を過ごし、お互いをよりよく知ることもできた。人生とベースボールキャリアの両面で素晴らしい経験だった。

――「フィールド外で自分自身のための時間が得られたことにも意味があった」と、以前も話していましたね。

アメリカから外に出て、新しい文化を学べたのも最高だった。新しい食事を試したり、知識が一気に増えた。食事については、日本ではどこで何を食べても上質だったことが印象的だった。中でもチキンのカレーライスは本当に美味しかったな。クールな日本での日々を忘れることはないよ。

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