今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりの世界一に輝いた侍ジャパン。『史上最強』と謳われたチームをまとめ上げ、頂点に導いた栗山英樹監督は最高の結果を残し、5月末に任期満了で退任した。
当然、世間の興味は次期監督がいったい誰になるのか大きな注目だった。だが、強化委員会は当初8月中の新監督決定を目指して後任探しに着手したたものの、人選は難航を極めた。
様々なプロ野球OBや関係者の名前が取り沙汰されたなか、新生・侍ジャパンの初陣が11月に迫るギリギリのタイミングで、ようやく中日、巨人で活躍した井端弘和氏の就任が確実に。同氏は2013年のWBCに出場し、21年の東京五輪では日本代表コーチとして金メダルに貢献した経験が評価され、新監督として一本化された。
しかし、だ。ここまで新監督が決まらなかった原因はなぜか。難航した侍ジャパン次期監督について、横浜DeNAの元ヘッドコーチである高木豊氏が9月25日、自身のYouTubeチャンネルを更新。栗山前監督の退任から4か月以上も空位となってしまった要因について持論を展開している。
同氏はひとつの要因に、「ジャパンのユニホームを監督として着ると、他の球団からオファーが来たときに監督になれないらしい、契約的に。虎視眈々と狙う人もいるから、なかなか『うん』と言わないらしい」と根本的な契約問題を指摘する。
続けて、「監督辞めたけど、『そろそろ監督がやりたいな、監督のオファーがありそうだな』って、そういう人は全日本の監督として単発でやるよりは、3年間という長期の指揮を振るう」とし、NPBで監督になるチャンスが失われる可能性があるとも分析する。
具体例として、前ソフトバンク監督の工藤公康氏、前巨人監督の高橋由伸氏、前ロッテ監督の井口資仁氏の3名を挙げた高木氏は、「例えばこの3名というのは、監督のチャンスはまだまだ残されるし、人気もあると思う。そうなってくると全日本(監督)を1回着たばかりに、その時期を逸する」と自身の考えを示した。
そうしたうえで、侍ジャパンの戦略的な参謀として現役メジャーリーガーのダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の入閣を強く推薦する。
高木氏は「やっぱり求心力があるし、まだ現役だけれども、いいヘッドコーチを参謀としてやらせれば(いいと思う)」と侍ジャパン再加入を熱望。「現役であれば調整が大変だろうけども、出来るんじゃないかな」と期待に胸を膨らませていた。
2009年のWBCで胴上げ投手になって以来、日の丸を背負ったダルビッシュはメジャーリーガーとして唯一2月の宮崎キャンプから参加。佐々木朗希(ロッテ)や山本由伸(オリックス)など、年下の投手陣に惜しげもなくアドバイスを送り、初の代表で孤立気味だった宇田川優希(オリックス)を気にかけ食事会に誘い元気づけると、翌日にはSNSで愛あるイジりを送るなど、チームに絶大な影響力を与えた。
投手陣だけでなく、野手陣にも積極的に声をかけてチームの結束を高めたダルビッシュ。ベテラン右腕の献身的なサポートには栗山前監督も頭が上らず、大会期間中は「ダルビッシュジャパン」と評すほど、精神的支柱として厚い信頼を寄せていた。
井端新監督の初陣は、11月16日から東京ドームで行なわれるアジアプロ野球チャンピオンシップ。来年11月には、第3回プレミア12が開催。そして、2連覇を狙うWBCは2026年春に開催が予定されている。日本列島を感動の渦に巻き込んだ侍ジャパンが、もうすぐ再始動する。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】3大会ぶりに世界一に輝いたWBCの熱狂をプレイバック!
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当然、世間の興味は次期監督がいったい誰になるのか大きな注目だった。だが、強化委員会は当初8月中の新監督決定を目指して後任探しに着手したたものの、人選は難航を極めた。
様々なプロ野球OBや関係者の名前が取り沙汰されたなか、新生・侍ジャパンの初陣が11月に迫るギリギリのタイミングで、ようやく中日、巨人で活躍した井端弘和氏の就任が確実に。同氏は2013年のWBCに出場し、21年の東京五輪では日本代表コーチとして金メダルに貢献した経験が評価され、新監督として一本化された。
しかし、だ。ここまで新監督が決まらなかった原因はなぜか。難航した侍ジャパン次期監督について、横浜DeNAの元ヘッドコーチである高木豊氏が9月25日、自身のYouTubeチャンネルを更新。栗山前監督の退任から4か月以上も空位となってしまった要因について持論を展開している。
同氏はひとつの要因に、「ジャパンのユニホームを監督として着ると、他の球団からオファーが来たときに監督になれないらしい、契約的に。虎視眈々と狙う人もいるから、なかなか『うん』と言わないらしい」と根本的な契約問題を指摘する。
続けて、「監督辞めたけど、『そろそろ監督がやりたいな、監督のオファーがありそうだな』って、そういう人は全日本の監督として単発でやるよりは、3年間という長期の指揮を振るう」とし、NPBで監督になるチャンスが失われる可能性があるとも分析する。
具体例として、前ソフトバンク監督の工藤公康氏、前巨人監督の高橋由伸氏、前ロッテ監督の井口資仁氏の3名を挙げた高木氏は、「例えばこの3名というのは、監督のチャンスはまだまだ残されるし、人気もあると思う。そうなってくると全日本(監督)を1回着たばかりに、その時期を逸する」と自身の考えを示した。
そうしたうえで、侍ジャパンの戦略的な参謀として現役メジャーリーガーのダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の入閣を強く推薦する。
高木氏は「やっぱり求心力があるし、まだ現役だけれども、いいヘッドコーチを参謀としてやらせれば(いいと思う)」と侍ジャパン再加入を熱望。「現役であれば調整が大変だろうけども、出来るんじゃないかな」と期待に胸を膨らませていた。
2009年のWBCで胴上げ投手になって以来、日の丸を背負ったダルビッシュはメジャーリーガーとして唯一2月の宮崎キャンプから参加。佐々木朗希(ロッテ)や山本由伸(オリックス)など、年下の投手陣に惜しげもなくアドバイスを送り、初の代表で孤立気味だった宇田川優希(オリックス)を気にかけ食事会に誘い元気づけると、翌日にはSNSで愛あるイジりを送るなど、チームに絶大な影響力を与えた。
投手陣だけでなく、野手陣にも積極的に声をかけてチームの結束を高めたダルビッシュ。ベテラン右腕の献身的なサポートには栗山前監督も頭が上らず、大会期間中は「ダルビッシュジャパン」と評すほど、精神的支柱として厚い信頼を寄せていた。
井端新監督の初陣は、11月16日から東京ドームで行なわれるアジアプロ野球チャンピオンシップ。来年11月には、第3回プレミア12が開催。そして、2連覇を狙うWBCは2026年春に開催が予定されている。日本列島を感動の渦に巻き込んだ侍ジャパンが、もうすぐ再始動する。
構成●THE DIGEST編集部
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