いったい誰が、こんなサクセスストーリーを想像できただろうか。
現地9月28日、ボルティモア・オリオールズがボストン・レッドソックスと対峙し、2対0で完封勝ち。今季100勝目を飾り、9年ぶりとなるア・リーグ東地区優勝を決めた。藤浪晋太郎は登板機会がなかったが、メジャー1年目でシャンパンファイトに酔いしれた。
2点リードの9回、マウンドに上がったタイラー・ウェルズが最後のバッターを三ゴロに打ち取ると、ベンチから選手全員が飛び出して歓喜の輪を作った。無論、ブルペンから日本人右腕も駆け付け、チームメイトらと地区優勝の喜びを分かち合った。
試合後のロッカーではポストシーズン進出に次いで、今季2度目となるシャンパンファイトがスタート。当然、オリオールズの公式X(旧ツイッター)は狂喜乱舞する戦士たちのリアクションを投稿。地区優勝用のTシャツを着て、キャップとゴーグル姿で大はしゃぎする藤浪の姿もバッチリ撮影されている。
昨年オフにポスティングシステムを利用して阪神から鳴り物入りでMLB移籍を果たした藤浪は、オークランド・アスレティックスでメジャー1年目のスタートを切った。先発の一角として期待された右腕は本拠地でのロサンゼルス・エンジェルス戦で初先発。大谷翔平との日本人対決が話題を呼んだが、2回1/3を投げて5安打8失点、4奪三振、3四球と散々の結果に。メジャーの洗礼を痛烈に浴びた。
さらにNPB時代からの悪癖である制球難が露呈し、その後も防御率は二桁台まで悪化。現地メディアからは「史上最悪の契約」と揶揄されるほどで、5月以降は中継ぎに配置転換された。
だが、この配置転換が転機になった。徐々にメジャーの水に慣れていくと、課題のコントロールが安定し防御率も改善。中継ぎで結果を残すと、その働きがオリオールズの目にとまり、7月下旬にトレードで加入した。
移籍後の成績は28試合で2勝2ホールド、2セーブ、防御率4.24。アスレティックス時代は34試合で5勝8敗3ホールド、防御率8.57だった。9月の藤浪は7試合連続無失点をマークするなど、中継ぎ陣のなかでも絶大なパフォーマンスを発揮。その剛腕で盤石なブルペンを支えた。
シーズン途中加入ながら、チームメイトや首脳陣の信頼を高めている藤浪。その一端をオリオールズ番記者であるアンディ・コスタカ氏は自身のXに綴っている。
同氏は歓喜のシャンパンを誰彼構わずチームメイトにかける日本人に「フジ、どうしてそんなにアルコールを撒き散らすのが上手になったんだ?と尋ねたんだ。すると彼は『初めてだけど、他のみんながやっているのを見て、なんとなくだよ』と笑って言ったんだ」と藤浪とのやりとりを明かした。そのうえで、「フジは飲み込みが早いようだ」と笑いながら、チームメイトと良好な関係を築けていることが好調な要因につながっていると論じている。
メジャー1年目で、いきなりプレーオフを戦う権利を得た藤浪。シーズン同様、160キロを超える剛腕でチームのピンチを救う場面はあるのか。ポストシーズンのベンチ入りの行方にも注目が集まっている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】藤浪晋太郎がMLB1年目でシャンパンファイト!
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現地9月28日、ボルティモア・オリオールズがボストン・レッドソックスと対峙し、2対0で完封勝ち。今季100勝目を飾り、9年ぶりとなるア・リーグ東地区優勝を決めた。藤浪晋太郎は登板機会がなかったが、メジャー1年目でシャンパンファイトに酔いしれた。
2点リードの9回、マウンドに上がったタイラー・ウェルズが最後のバッターを三ゴロに打ち取ると、ベンチから選手全員が飛び出して歓喜の輪を作った。無論、ブルペンから日本人右腕も駆け付け、チームメイトらと地区優勝の喜びを分かち合った。
試合後のロッカーではポストシーズン進出に次いで、今季2度目となるシャンパンファイトがスタート。当然、オリオールズの公式X(旧ツイッター)は狂喜乱舞する戦士たちのリアクションを投稿。地区優勝用のTシャツを着て、キャップとゴーグル姿で大はしゃぎする藤浪の姿もバッチリ撮影されている。
昨年オフにポスティングシステムを利用して阪神から鳴り物入りでMLB移籍を果たした藤浪は、オークランド・アスレティックスでメジャー1年目のスタートを切った。先発の一角として期待された右腕は本拠地でのロサンゼルス・エンジェルス戦で初先発。大谷翔平との日本人対決が話題を呼んだが、2回1/3を投げて5安打8失点、4奪三振、3四球と散々の結果に。メジャーの洗礼を痛烈に浴びた。
さらにNPB時代からの悪癖である制球難が露呈し、その後も防御率は二桁台まで悪化。現地メディアからは「史上最悪の契約」と揶揄されるほどで、5月以降は中継ぎに配置転換された。
だが、この配置転換が転機になった。徐々にメジャーの水に慣れていくと、課題のコントロールが安定し防御率も改善。中継ぎで結果を残すと、その働きがオリオールズの目にとまり、7月下旬にトレードで加入した。
移籍後の成績は28試合で2勝2ホールド、2セーブ、防御率4.24。アスレティックス時代は34試合で5勝8敗3ホールド、防御率8.57だった。9月の藤浪は7試合連続無失点をマークするなど、中継ぎ陣のなかでも絶大なパフォーマンスを発揮。その剛腕で盤石なブルペンを支えた。
シーズン途中加入ながら、チームメイトや首脳陣の信頼を高めている藤浪。その一端をオリオールズ番記者であるアンディ・コスタカ氏は自身のXに綴っている。
同氏は歓喜のシャンパンを誰彼構わずチームメイトにかける日本人に「フジ、どうしてそんなにアルコールを撒き散らすのが上手になったんだ?と尋ねたんだ。すると彼は『初めてだけど、他のみんながやっているのを見て、なんとなくだよ』と笑って言ったんだ」と藤浪とのやりとりを明かした。そのうえで、「フジは飲み込みが早いようだ」と笑いながら、チームメイトと良好な関係を築けていることが好調な要因につながっていると論じている。
メジャー1年目で、いきなりプレーオフを戦う権利を得た藤浪。シーズン同様、160キロを超える剛腕でチームのピンチを救う場面はあるのか。ポストシーズンのベンチ入りの行方にも注目が集まっている。
構成●THE DIGEST編集部
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