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プロ野球

【ブレイクスルーの舞台裏】“2つの課題”克服で急浮上!ドラフト9位の佐野恵太が「ポスト筒香」へ名乗り

萩原孝弘

2019.12.22

佐野は開幕から4試合に出場し4打数4安打、打点8と驚異的な勝負強さで一気に名を上げた。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

佐野は開幕から4試合に出場し4打数4安打、打点8と驚異的な勝負強さで一気に名を上げた。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

 課題を克服する――。それはプロ野球プレーヤーとして生き抜くために必要なスキルだ。

 DeNAベイスターズのホープ・佐野恵太は3年目の今シーズン、課題であった2つの数字“得点圏“と”対左腕”を良化させ飛躍を遂げた。

 佐野の武器は、明大で4番を務めたこともある打撃力。2016年度ドラフトでDeNAが9位、全体では84番目の指名ながらも、豪快なスイングからの長打力を、大学の先輩でもある当時の高田繁GMが評価していた。

 1、2年目とも開幕1軍入りを果たすものの、1年間定着には至らなかった。しかし、3年目の2019年シーズンはオープン戦から好調を維持し、開幕当初は代打の1番手として起用された。3月29日の横浜スタジアムでの開幕戦では、8回に貴重な追加点となる2点タイムリー2ベース、31日にはレフトへサヨナラタイムリーヒットでヒーローに。場所を神宮に移し、4月2日には同点に追い付くタイムリーを、4月4日には試合を決める満塁ホームランをバックスクリーンに叩き込んだ。開幕から4試合に出場し4打数4安打、打点8と驚異的な勝負強さで一気に名を上げた。
 
 その後も代打として貴重な働きを見せると、4月10日には初スタメンも任され、チームでの存在感も増してくる。さらに8月8日に不動のサード・宮崎敏郎が骨折で登録抹消されると、レフトの筒香嘉智がサードに回り、佐野がレフトに入る玉突き現象でスタメン出場が増加。また、ラミレス監督が「出塁率の高さと得点圏打率の低さ」から2番に筒香を据える策をとると、8月18日からは4番に座り、プレッシャーのかかる打順で、打率.316と結果も残した。

 得点圏打率が昨季の打率.139から.377と見違える成績を残した一方、ラミレス監督が開幕当初から語っていた佐野の課題が、「左ピッチャーが打てればスタメンも増えるだろう」というものだった。

 その言葉通り、6月30日の広島戦でフランスアからヒットを打つまで8打数ノーヒットに抑えられていた。ところが、その後は23打数8安打をマークし、シーズン通しても.258まで打率を上げることに成功。打点も8を数えるなど印象に残る活躍も見せ、昨年の対左投手打率.154から大きく数字を伸ばした。
 
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