昨年のドラフトでは内野手を大量指名し、オフには大胆なトレードを行ったものの実を結ばずに、球団史上初の２年連続最下位に沈んだ中日。先日のスカウト会議後にあった「すべてが補強ポイント」といった趣旨の発言が示す通り、攻撃面では出塁率や長打率を中心に大半のカテゴリーで12球団最下位。守備面も、投手成績こそ水準以上ながら、ＦＡ権取得間近あるいは海外挑戦への意欲を隠さない中心選手を抱えるなど、編成面での課題が山積している。

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　本来であれば、数年単位で抜本的に立て直すべく、将来性を重視した再建的ドラフトを行うべきだが、今年のドラフトのトレンドが大学生投手であること、最下位になったため２位指名が早いという利点を得ていることから、極端な指名を行わずとも好素材を獲得できる可能性が高まっている。

　つまり、今年のドラフトでは「バランス型」の指名を勧めたい。

　武内夏暉（国学院大）は今年の大学生投手で、最もバランスが取れた平均点の高い選手。左右の投げ間違いが少ないコントロールや、大きく落ちる特異なツーシームを中心に、カウントにも決め球にもできる変化球を複数有す。打者から見えにくいアングルから、大胆にゾーンへ投げ込む投球スタイルは、ホームランの出にくい本拠地に最適と言えるだろう。
  　武田陸玖（山形中央高）は投打二刀流の選手。打者としては、逆方向にホームランを何本も放つなど、174cmの上背から想像できないパワーを放ち、コンタクト力も高い。また、Ｕ－18では投手として140キロ台中盤を何度も計測し、世界に通用する姿を見せた。岡林勇希のように野手、根尾昂のように投手専念と、二刀流のへ方向性を示した中日で開花してほしい素材だ。

　友田佑卓（日本大）は攻守にバランスの良い捕手。２年春から出場して磨かれた守備力、大型チームをまとめるキャプテンシーに、打撃はスケールと正確性が伴ってきた。石橋康太に刺激を与えつつ、将来は併用も可能な左打ち捕手として確保したい。

【基本方針】
バランス型

【補強ポイント】
・本拠地適性の高い即戦力投手
・現有戦力を下から突き上げる素材
・攻守にバランスの良い捕手
    
【理想の指名】
１位 : 武内夏暉（国学院大）
２位 : 武田陸玖（山形中央高）
４位 : 友田佑卓（日本大）

文●ARA

【著者プロフィール】　
Twitterでドラフトイベント「VD4B」「ヨソドラ」を主催。雑誌／野球太郎のモックドラフト立案者。主に打撃を得意分野とし、中学生を中心とした野球指導にも携わる。ツイッターIDは@arai_san_28。

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