プロ野球

「本当によくグラウンドに立ってくれた」――満身創痍でも日本シリーズを戦い抜いたオリックスナインをねぎらう中嶋監督【日本シリーズ第7戦】

THE DIGEST編集部

2023.11.06

日本シリーズは7戦目までもつれる死闘の末、オリックスにとっては惜しくも苦い結果に。中嶋監督はリーグ4連覇、そして日本一奪還に向けて前を向いている。写真:野口航志

 11月5日、オリックスと阪神の日本シリーズが幕を閉じた。オリックスは1対7で敗れ、2年連続の日本一には惜しくも届かなかった。

 オリックスは今季首位打者に輝いた頓宮裕真、主砲の杉本裕太郎に森友哉や、セットアッパーの山崎颯一郎が、けっして万全のコンディションとは言えない中で、日本シリーズに突入した。それでも杉本は天井に入る特大ツーベースを放ち、頓宮は2本塁打、森もライトの守備でスーパープレーを披露するなど、敗れたとはいえできる限りの力を尽くした。

 日本一を逸した中嶋聡監督は「コンディションの部分で言えばですね、本当によく出られたなっていうメンバーも多かったかな。 そこをちゃんと整えてあげられなかったのが、まあ僕の責任ですし、本当によくグラウンドに立ってくれたと思います」と満身創痍ながらも第7戦まで戦い続けた選手たちを労った。

 最終第7戦では、阪神先発の青柳晃洋に打線が手を焼いた。「柳君をちょっと探りに入った部分があったんでね。そこかな」と様子を見ているうちに術中にハマってしまったようだ。逆にノイジーに先制3ランを浴びるなど、5回途中5失点とらしくない投球だった先発の宮城大弥については「(ノイジーの打席で)あんまり引っかけることのないチェンジアップがあそこに行っちゃうっていうのは、やっぱり大きかったのかなと思います」と、一発で宮城のリズムが崩れたと分析しつつ「まあそんなこと言ってもしょうがないんでね」と述べた。
 
「本当にみんな全力でやってくれたんでね、もう負けの責任はもう僕は取る。僕の責任なんで。そこまで本当によくやってくれたと思います。まあ悔しいですよね。ホント勝って終わるのと、負けて終わるのと全然違いますし。まあ(日本シリーズ敗退は)2回目なんですけどね。優勝したことすら吹っ飛ぶぐらい叩かれますし、出なかったらいいと思うぐらい叩かれますからね。(それだけ)重いですよね。重い職業ですし、最後の最後に上に立たないと、 そういう職業なのかなと思います」

 日本シリーズが終わり、すぐにチームは秋季キャンプに突入する。

「そうですね。まあ何人かの選手も明日(高知)キャンプに行きますんで、そちらはスタートしますけど、 まず心も体もリセットして、自分たちが動きたくなった時に、しっかり動いてくれたらいいのかなと思いますし。 ここまでね、頑張ってやってきたことですから。今年優勝したとしてもですね。、未熟な部分が本当に多いチームですので。チームも若いですし、その点ではまだまだ本当に伸びしろあるチームだと思いますし、新しい戦略が入ってこないと、厳しい戦いにはなると思うんで。僕の方では、まキャンプからそれを精査しながら、考えていきたいと思う」

 指揮官は改めて、チーム全体がリセットした上で、再び日本一奪還に向けた来季の戦いの準備をしていくと前を向いていた。来季も熱く激しい日本シリーズの舞台になることを期待したい。

取材・文⚫︎THE DIGEST編集部